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SEMICON Japan 2024

 

エリコン、ダイヤモンドコーティングのD-Coat社を買収

 スイス・エリコンは、ドイツにおけるダイヤモンドコーティング技術のトップ企業D-Coat社を買収した。

 2006年設立のD-Coat社は、高い信頼性が求められる航空機、船舶、自動車、その他分野の構造体に使用されるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)向けの切削工具に成膜するダイヤモンドコーティング技術のリーディング企業として認識されている。また、D-Coat社はこれらのコーティング用途において大手航空機メーカーが選ぶサプライヤーとしても世界的に認識されている。

 熱フィラメントCVD (HFCVD)法を用いて形成したダイヤモンドフィルムの蒸着は、コーティング表面、3Dベースボディ、部品や金型、工具の内面コーティングに適しているという。工具や部品、電極にコーティングした場合は、優れた耐久性を与え、潤滑状態が悪い状況下においても低摩擦で、摩耗性物質との接触に対しても高い耐摩耗性を実現する。

 エリコンのヘッド・オブ・ビジネスユニット・ バルザースインダストリアルソリューションズMarc Desrayaud氏は「D-Coat社が持つ技術により、エリコンバルザースが提供するダイヤモンドコーティング関連サービスがさらに強化される。両社の専門性が融合されることで、同分野における当社の立場がより一層明確になり、テクノロジーリーダーとなることができる」と話している。

 また、リヒテンシュタイン・エリコンバルザースのヘッド・オブ・カッティングツールDr. Wolfgang Kalss氏は「当社は、両社の技術力と専門性のシナジーを活用し、航空・宇宙、自動車、金型(ダイ・モールド)および他産業において切削工具を求める顧客に最高のダイヤモンドコーティングソリューションおよびサービスをお届けしたいと考えている」と話している。

 同グループのダイヤモンドコーティング事業としては、ルクセンブルグ、米国、韓国に続く4番目のカスタマーセンター。規模としては、ダイヤモンドコーティングではグループ最大のカスタマーセンターとなり、同グループ全体では113番目のグローバルカスタマーセンターとなる。

 なお、D-Coat社の日々の事業運営および顧客への対応は従来どおり同社の施設にて継続する。

左から、ウォルフガング・J・シュミッツ氏 (リージョナルエグゼクティブ ヨーロッパ、エリコンバルザース)、ディルク・ブライト氏 (D-Coat 生産・開発部取締役)、オラフ・ ディートリヒ氏(D-Coat 宣伝部取締役)、コリーナ・ハインツ氏(エリコン・バルザース)、ウォルフガング・カルス氏 (ヘッド・オブ・カッティングツール、エリコンバルザース)
左から、ウォルフガング・J・シュミッツ氏 (エリコンバルザース リージョナルエグゼクティブ ヨーロッパ)、ディルク・ブライト氏 (D-Coat 生産・開発部取締役)、オラフ・ ディートリヒ氏(D-Coat 宣伝部取締役)、コリーナ・ハインツ氏(エリコンバルザース)、ウォルフガング・カルス氏 (エリコンバルザース ヘッド・オブ・カッティングツール)