三菱電機とナガセケムテックスおよび長瀬産業の3社は、三菱電機が保有する、空気の膜で粉塵や埃、汚れなどの付着を抑えるコーティング技術「スマートエアコーティング」を活用した、新しい防塵コーティング剤(塗料)の共同開発に合意した。三菱電機が基礎技術を提供し、ナガセケムテックスが製品を開発・製造、長瀬産業がマーケティングおよび販売を行う。今後、自動車の内外装用部材や住宅建材、家具、インテリアなどの幅広い製品への展開を目指す。
三菱電機は、長年に渡り防汚・防塵コーティング技術の研究開発を進めており、これらの技術を自社のルームエアコンやダクト用換気扇などへ適用している。「スマートエアコーティング」は、独自のマイクロメートルレベルの凹凸構造を有する超撥水性のコーティング技術で、最適な凹凸構造により形成される空気の膜が汚れの付着を抑える。一般的に汚れが付着しやすい屋外や水回りなどの湿った環境においても高い防汚・防塵効果があり、金属やプラスチック、ガラスなどさまざまな素材に塗ることができる。
今回の共同開発は、「スマートエアコーティング」を家電製品以外にも幅広く用途展開することを目指すもの。合成技術、配合技術に強みを持つナガセケムテックスが、用途による最適な製品開発を行い、化学品専門商社として国内外にネットワークを持つ長瀬産業が、マーケティングと販売を手掛ける。今後、自動車の内外装用部材や住宅建材、家具、インテリアなどへの防塵コーティング剤として、2021年以降の実用化を目指す。