ヤマシタワークス( https://www.yamashitaworks.co.jp/ )は、自動車業界向けの金型部品(ピン・パンチ)の製造を手掛けるタイ工場「アジアヤマシタワークス」をサムットプラカーンのプライムエステート工業団地に移転し拡張した。設備などを含めた投資額は約1億2000万円で、5月4日から本格稼働している。
タイ工場は「アジアヤマシタワークス」として2005年に操業を開始。ピン・パンチの製造と鏡面加工装置「エアロラップ」の販売で、初年度から利益を確保するなど15年連続で黒字を記録。現在では、一部でダイスの製造も手掛け、売上高は3億円に成長している。
今回のタイ工場の移転・拡張は操業15年を機に、さらなる生産増強を図ることを目的としたもので、敷地面積が約2000m2、床面積が約1000m2と旧工場の約2倍に拡張。生産能力は従来比で2割増となる。
新工場には製造現場に加えて検査室、エアロラップ室を設けたほか、研磨機2台を増設した。
機械や従業員の暑さ対策としてつり天井を設けたほか、BCP(事業継続計画)対策として大水害などに対応できるよう約1.5mかさ上げして建設している。
ヤマシタワークス・営業統括部長の浜田賢治氏は、「タイ新工場の建設が完了した時期は新型コロナウイルスの感染拡大の真っただ中で、主要取引先である自動車メーカーも自動車部品メーカーも生産を大幅に縮小し、その影響は甚大だった。コロナ禍はまた、リーマンショックよりも一層、国を超えた商取引に長期にわたり影響を及ぼすことから、従来からのベトナムや中国など近隣諸国との取引も激減する格好となった。依然として日本―タイの行き来もままならない状況だが、この間に、生産効率向上や第2波、第3波でも安定操業が図れるような勉強会や体制の構築・強化を進めてきた。ぜひともタイ新工場を活用・応援していただきたい」と語っている。