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SEMICON Japan 2024

 

不二越、ハイブリッド真空脱脂洗浄装置を発売

 不二越( https://www.nachi-fujikoshi.co.jp/ )は、高品質な洗浄と環境負荷の低減を両立できる炭化水素系の真空脱脂洗浄装置「クリーンマスターシリーズ Hi NVD-10」を開発した。本年8月から市場投入する。

クリーンマスターシリーズ Hi NVD-10
クリーンマスターシリーズ Hi NVD-10

 

 価格は5000万円(標準本体価格/税抜)で、電機・電子部品、金型等の真空熱処理前洗浄などが行われる熱処理分野やプレス、深絞り部品の熱処理前後洗浄などが行われる自動車分野、重電、船舶等の大型重量部品の脱脂洗浄などが行われる産業機械分野などを対象に年間10台の販売を目指す。

 工業製品の脱脂洗浄では、部品の精密化などによる難洗浄化や、洗浄液の環境配慮が課題となっている。現在多用されている水系・準水系洗浄剤(アルカリ性洗浄剤)は比較的安全性が高く低コストだが、脱脂洗浄力は低く、廃液処理が必要となる。一方で、溶剤系洗浄剤(塩素系やフッ素系、臭素系)は洗浄力が高く乾燥性も良いとされるが、環境負荷が高い。こうしたことから今後は、高品質な洗浄と、環境負荷の低減を両立できる「炭化水素系洗浄装置」の需要が、さらに高まると予想されている。

 こうした背景から不二越では、炭化水素系洗浄のハイブリッド真空脱脂洗浄装置「クリーンマスターシリーズ Hi NVD-10」を開発、市場投入を決めたもの。

 特徴は以下のとおり。

(1) ハイブリッドで強力洗浄:1次シャワー、浸漬、2次シャワーの3段階洗浄を基本に洗浄性を確保するほか、専用循環ポンプを追加したことで循環加温を用いた洗浄を可能にし、洗浄力を強化できる「浸漬洗浄(トリプル洗浄)」と、微細穴、複雑形状などでも強力洗浄できるほか、シャワー洗浄を組み合わせることで深穴形状など洗浄液が届きにくいワークの洗浄に効果を発揮する「蒸気洗浄」の2種類の洗浄機能を標準装備し、高品質な洗浄を実現

(2) 環境負荷を低減:炭化水素系洗浄剤の使用に加え、洗浄剤の保有量も約20%削減(従来機NVD-10E比)することで、高い洗浄性と環境負荷の低減を両立

(3) コンパクト設計:設置面積約14m2、従来機比△8%のコンパクトな設計

 装置の仕様は、有効寸法が幅760mm×奥行1220mm×高さ760mm、処理量が最大1000kg/GROSS CHARGE(蒸気洗浄400kg)、洗浄時間が約25分(基本設定:トリプル洗浄)、洗浄液保有量:炭化水素系溶剤(第三石油類)1500L。