SEAVAC( https://www.seavac.co.jp )は、モノづくり日本会議と日刊工業新聞社が主催の2020年“超”モノづくり部品大賞において、金型用工具鋼超耐久表面処理「下地強化処理ZERO-Ⅰコーティング」で「機械・ロボット部品賞」を受賞した。
受賞部品は、同社が開発したパルスプラズマ電子ビームを用いたプラズマ窒化処理を金型工具鋼に応用し表層から深さ30μm程度までを硬化させ、硬度と耐熱性を高めるPVDコーティング膜を高密着で成膜する技術。窒化の際に最表面に膜との密着性に悪影響を与える化合物層が発生しにくくすることで高密着を実現した。また、高荷重・高摩擦が発生する箇所には、基材の変形抑制の効果が期待できるという。
冷間プレス金型や鍛造金型は、製品形状の高精度化・複雑化や加工能率の一層の向上に伴い、より過酷な環境下で使用されている。同社が開発したZERO-Iコーティングは硬さ、耐熱性を高めたPVDコーティングで、金型のメンテナンス頻度を抑え加工コストの削減に貢献してきた。しかし、工業製品の精密化や複雑形状化が進み、被加工材の変形応力増加などにより、局所的に応力が集中し、摩耗や損傷により金型寿命が短くなるケースが見られるようになってきた。このため、従来よりも高負荷で局所的に金型が損傷するケースなどに対応する目的で、PVDコーティングに加えて前処理としてプラズマ窒化を処理する「下地強化処理ZERO-Ⅰコーティング」を開発した。