DOWAサーモテック( https://www.dowa.co.jp/thermo-tech/ )は、トヨタ自動車と共同で開発した「SS真空浸炭炉」について、その取組みおよび成果が高く評価され、革新的な技術でものづくりを推進したサプライヤーに授与される「技術開発賞」をトヨタ自動車より受賞したと発表した。
熱処理ラインは、機械加工ラインとは離れた専用エリアに大型設備を並べ、24時間連続操業のもと、まとめて大量に生産する方法が一般的。今回DOWAサーモテックがトヨタ自動車と共同で開発した「SS真空浸炭炉」は、複数セル方式を採用することにより小ロット生産を可能にし、同時に処理時間も短縮できることから、機械加工ライン内への設置を可能にした。これにより、前後の機械加工ラインと同期した生産が可能となり、必要な時に必要な量を生産することができる。また、小ロット生産化により品質ばらつきの低減や生産リードタイムの短縮、コスト低減が期待できる。さらに、この熱処理設備は真空浸炭技術の活用により、クリーンな作業環境の実現やCO2排出量の大幅な削減にも寄与できるため、従来の熱処理プロセスを画期的に改善することが期待できるという。
トヨタ自動車においては、2020年に「SS真空浸炭炉」を導入することにより、生産性を維持したまま、熱処理ラインの工数の削減および操業時間の短縮を実現している。また、非稼働時のロスや物流在庫も削減することができ、熱処理ラインの原価低減にも寄与しているという。