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第9回ものづくりワールド名古屋

 

エリコンバルザース、コーティング技術が航空機エンジン部品に採用

 エリコンバルザース(本社:リヒテンシュタイン)は、ドイツ・MTU Aero Engines社と10年契約を結び、中距離向け商業旅客機「エアバスA320neo」で使用される次世代GTF航空エンジンのエアロフォイル部品に対してコーティング技術を提供する。

 今回、MTU Aero Engines社が所有する耐浸食コーティング「ERCoatnt」のラインナップにエリコンバルザースが販売しているコーティング装置「INNOVENTA giga」によるコーティング技術が採用されたもの。INNOVENTA gigaにより成膜した被膜が旅客機エンジンの効率を従来以上に高めることができるという。

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 今回の契約により、エリコンバルザースはMTU Aero Engines社に対してINNOVENTA gigaを10年間販売、サポートしていく。ドイツの主要な航空エンジンメーカーである、MTU Aero Engines社は真空物理蒸着(PVD)コーティングの主要サプライヤーの専門知識やノウハウ、その装置ポートフォリオにより、短納期で一貫性、再現性の高い商品品質を提供することが可能になる。それぞれの能力を活用しMTU Aero Engines社の高圧コンプレッサーエアロフォイルに耐浸食コーティングを施すことで、アメリカ・Pratt & Whitney社製「PW1100G-JM」航空エンジンの効率向上にさらに貢献する。

 INNOVENTA gigaは、ハイテク技術を駆使したINNOVENTAコーティングシステムの中で最も大きな装置で、高さ1.7m以上、最大直径0.7m、最大積載量は3000kgまでのワークに対してコーティングが可能となっている。

 MTU Aero Engines社の購買責任者のホルガー・アウアー氏は「エリコンバルザースは、このコーティングプロジェクトの初期段階において、MTUにとって信頼できるパートナーであることを証明した。その技術力と顧客志向に基づき、ヨーロッパとアジアにおける強力で信頼できるサプライチェーンの確立を期待している。さらに、我々の共通の目標は、MTUが所有するERCoatntアプリケーションをさらに向上させることである。エリコンバルザースの意欲的なチームが、この非常に要求の多いプロジェクトを開発・量産において満足のいくように全うしてくれると確信している」と話している。

 また、エリコン サーフェスソリューションズ事業部のCEOであるマーカス・タッケ氏は「この長期契約はMTU Aero Engines社のような顧客が当社の技術を信頼していることの明確な証である。世界的に高い評価を得ている当社の一流のコーティングソリューションを用いて、エンジンや燃料効率の向上、それにより持続可能性への貢献のために、当社の専門知識を提供できることを嬉しく思う。今回の契約は、PVDなどの表面処理ソリューションのリーディングサプライヤーとして、航空宇宙市場において持続可能なイノベーションをさらに提供していくという当社のコミットメントを明確にするものだ」と述べている。