TEST2021などが開催、硬さ試験機や摩擦摩耗試験機を展示
「TEST2021 第16回総合試験機器展(主催:日本試験機工業会)」、「測定計測展(主催:日本光学測定機工業会、日本精密測定機器工業会)」、「IFPEX2021 第26回フルードパワー国際見本市(主催:日本フルードパワー工業会、産経新聞社)」など五つの展示会が10月6日~8日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催した。展示会では、表面試験・評価機器など、以下の出展が見られた。
新東Sプレジション( http://www.sinto-sp.co.jp/ )は、白色干渉顕微鏡を搭載した二次元座標測定器「OPTIFIS IS-R400」でデモを実施。この測定器は、高精度XYステージにより繰り返し測定のバラつき0.5μm以下の精密座標測定、画像処理により視野内の繰り返し測定のバラつき0.03μm以下の微小寸法測定、白色干渉により繰り返し測定のバラつき40nm以下高さ測定・表面形状分析と1台で三つの測定が可能となっている。ブースでは、白色干渉法による段差・表面形状+画像による微小寸法・座標の自動測定を紹介した。また、精密二次元座標測定機のスタンダードSMICシリーズ、さらにフォトマスク向け超精密自動二次元座標測定機をパネル展示で紹介を行った。
新東科学( http://www.heidon.co.jp/ )は、一つの試験片で荷重を変えた摩擦摩耗試験が1回の測定で可能になる従来の摩擦摩耗試験機に、ステップ運転モードと直交バランスアーム方式を追加した新製品「HHS2000S」を披露した。同試験機は、一つのサンプルに複数の試験を予めプログラムした動作条件にて自動で行えるステップ運転モードを搭載。1度目の試験後に自動で測定子をピックアップしY方向ステージを動かし新たな位置から2度目の試験が行える。こうした特徴から、摩擦摩耗試験を効率的に行いたい企業や団体からの訪問があったという。また、今回は、同社摩擦摩耗試験機「トライボギア」のスタンダードモデル「TYPE:40」、誰でもどこでも物体間の静摩擦係数を簡単に測定できるポータブル摩擦計「TYPE:94i-II」など、同社の豊富なラインナップを示した。
フューチュアテック( https://www.ft-hardness.com/ )は、マイクロビッカース硬さ試験機「FM-Xシリーズ」の実機を紹介。従来のウエイト(重錘)方式による荷重負荷機構に加えロードセルによる荷重負荷機構を備えた機種をラインナップ、多段階荷重切換えが可能となっている。マルチロードタイプでは50gf~10kgfと広い荷重レンジで試験を行うことができる。また、CCDカメラ内蔵機構を採用することで専用ソフトにより圧痕を自動で計測できる。試験機は無限遠レンズを採用。10倍・50倍と標準の2本に加えてオプションで5本まで同時装着が可能となっている。さらにオプションでは、ビッカース(HV)、ヌープ(HK)、ブリネル(HB)と最大3個の異なる圧子の同時装着も可能となっている。
ブルカージャパン ナノ表面計測事業部( https://www.bruker-nano.jp/ )は、多機能トライボロジー評価機「UMT TriboLab」を展示した。同試験機はモジュール交換型を採用し、あらゆる速度とトルクに対応。ボールオンディスクなどの回転試験や往復摺動試験、ブロックオンリング試験など45種類以上の規格試験が可能となっている。特許技術の2軸センサーによって荷重・摩擦力をリアルタイムに検出。ノイズレベルがセンサーの荷重範囲の0.02 %と非常に小さいことにより、高分解能な測定を可能とし、荷重レンジに応じて適切なフリクションロードセンサーを選択することで1mN~2000Nの試験荷重を実現できる。加熱は潤滑環境下で400℃、ドライ環境下で1000℃、湿度が5~85%RHに設定できるなど、様々な環境制御が行える。
マツザワ( http://www.matsuzawa-ht.com/ )は、タッチパネルのスタートボタンをタッチすることによって簡単に試験サイクル(初試験力負荷~本試験力負荷~負荷解除)を行うことができる電動型ロックウェル硬さ試験機「Ria」の実機を展示した。同試験機は試験モード切換えにより、ロックウェル硬さ(全30 スケール)、ブリネル硬さ(11スケール)、押し込み試験がそれぞれ行える。また、29.42Nから98.07N(3kgf から10kgf)までの範囲で100gf ステップずつ、初試験力を変えることができる。本試験力も同様に147.1Nから1840N(15kgf から187.5kg f)までの範囲で0.9807N(100gf)ステップずつ変えることができるという。試験中は、LEDインジケータが上から下へと流れるように表示され、一目で試験中の動作確認が行える。
山本科学工具研究社( http://www.ystl.jp/ )は、ブリネルやロックウェル、ビッカース、計装化押込み試験といった各種硬さ試験法に使用される試験機の測定結果が正常であるかどうかを確認するための基準的試験片「高精度硬さ基準片」の紹介を行った。硬さ試験におけるISO9000シリーズ等の各種認証には、JIS・ISOに準拠した硬さ試験機の管理が必須となり、その一つに硬さ基準片を用いた管理がある。同社の硬さ基準片は、優れた質(硬さ均一性、JIS・ISOに基づいた普遍的な値、硬さ値の高い安定性)が国際的に認められており、硬さ試験機の始業前点検や間接検証に数多く使用されている。また、同社は来年に70周年を迎える予定で、文献集の発行などを予定しているという。