大塚電子は10月19日、Webセミナー【膜厚測定 特別セミナー】を開催した。
当日は、トライボロジー表面改質、固体潤滑被膜の研究の第一人者である名古屋大学教授・梅原徳次氏が、「反射分光膜厚計による無潤滑下及び潤滑油下の摩擦界面その場観察による摩擦メカニズムのその場解析」と題して講演を行った。
透明なサファイアガラスと固体表面の無潤滑下および潤滑油下での摩擦界面を大塚電子製の反射分光膜厚計「OPTM」で観察し、窒素雰囲気下におけるCNx膜の構造変化層の厚さと物性の摩擦係数に及ぼす影響が明らかになり、薄膜の固体潤滑理論で摩擦係数の推定が可能であることが明らかになった。また、潤滑油下においても極表面の油の分極率と摩擦の関係が明らかになった。さらに、不均一な油の油潤滑における潤滑油層の濃度分布が明らかになっている。
講演では、①反射分光膜厚計を用いた摩擦界面その場分析法の有効性、②窒素含有DLC膜(CNx膜)の窒素雰囲気下超低摩擦機構の解明、③ベース油中CNx膜の摩擦メカニズムの解明、④二液分離油による摩擦における摩擦メカニズムの解明について、発表がなされた。
また、大塚電子・後藤秀平氏より、同社の光干渉法と高精度分光光度計により、非接触・非破壊かつ高速、精度で膜厚測定を可能にした同社の反射分光膜厚計「OPTMシリーズ」についての紹介がなされた。工具・ギヤ・シャフトなど三次元形状に被覆されたDLCの厚み測定例や、膜厚・膜質の解析例などが示された。