厚地鉄工( http://www.atsuchi-ascon.co.jp/ )は、主力商品であるブラストキャビネットを中心にサンドブラスト、エアブラスト装置の拡販を開始した。その一環として、7月13日~16日まで東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された溶接・接合技術の専門展「2022国際ウエルディングショー」に出展、ブラストキャビネットやバキュームブラスターによる錆取りや溶接焼け取りの実演を行うなどして多くの来場者を集めた。
ブラストキャビネットでは、強力な噴射力を発揮する直圧式の汎用手動機「BA-1」を展示。同装置は使いやすいコンパクトタイプで、同社独自の機構により加圧されたエアによって噴射力の強いブラストができる。これにより、ブラスト加工時間の大幅な時間短縮が可能になる。小さなブラスト装置内に集塵機、レギュレーター、エアフィルター、エア加減弁などの周辺機器を搭載して省スペース化。錆や塗装剥がし、難物の鋳造品・鋳物砂の除去、高硬度金属のブラスト処理など幅広い分野に対応できる。
BA-1の技術を応用して開発された台車テーブル式エアブラスト装置「BAS-4T」は、重量物・長尺物のスケール除去を行えるとして来場者に訴求した。同装置はレール付き架台と回転テーブルを備えており、加工対象物の搬入・搬出の効率化や作業の安定化が可能となる。重量物・大型品や精度が要求される金型のブラスト処理、精密鋳造品の砂落としやスケール除去に適した処理として紹介を行った。
出展ブースの中央で実演を行ったバキュームブラスター「AV-2EH」は、研掃・回収・選別・集塵の4機能を備え、移動不可能な加工物を養生することなく、その場でブラスト処理することが可能。投射材が高圧の圧縮空気とともにノズルから噴射され、加工物の表面をブラストする。噴射と同時に発生した粉塵や微小破片物はガンホルダー内部からの強力なバキュームでサイクロンに回収されるため、外部に飛散することなく衛生的で安全・環境に配慮した作業を実現する。また、同装置は様々な作業状態や条件をリサーチした上で開発されており、狭いスペースや車両積載による作業、高い建造物の作業など、広範囲のブラスト処理に対応できる装置を取り揃えている。
2022国際ウエルディングショーでは、今回紹介したような装置の出展を中心に行ったが、同社の強みは「ブラスト装置全般に渡り、基本計画から施工、メンテナンスまでの提案(厚地徹三社長)」としており、創業から85年に渡って蓄積されたノウハウの部分だ。今回の展示会出展を契機として、細部まで行き届いたサービスやメンテナンスを含めた「ASCON」ブランドのさらなる浸透を図る。