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SEMICON Japan 2024

 

JASIS2022開催、表面試験・評価・分析機器などが展示

 日本分析機器工業会と日本科学機器協会は9月7日~9日、千葉市美浜区の幕張メッセ 国際展示場で、分析機器・科学機器の総合展示会「JASIS2022」を開催した。当日は、322社・機関、982小間の出展と新技術説明会が59社/225テーマの講演が多数催された。来場者は12465名(昨年8490名)、新技術説明会の聴講者数は6908名(同4813名)だった。

JASIS2012のもよう
JASIS2012のもよう

 エリオニクス( https://www.elionix.co.jp/ )は、DLCなどの硬質被膜やめっき皮膜、フィルム材料などの樹脂材料、微小粒子や粉体材料の硬さ・弾性率などの機械的特性を測定できるナノインデンテーション試験機「ENT-5」の展示を行った。振動や温度変化などの外乱の影響を抑えた機構で、高いデータ再現性を実現。高荷重ユニット(5μN~2000mN)と低荷重ユニット(0.5μN~10mN)の交換が容易、装置の校正をユニット交換により行うことでメンテナンス性を向上している。純国産のため親しみやすいGUIとなっている。

エリオニクス「ENT-5」
エリオニクス「ENT-5」

 大塚電子(https://www.otsukael.jp/)は、ゼータ電位・粒子径・分子量測定システム「ELSZneo」を紹介した。ELSZseries の最上位機種で、希薄溶液~濃厚溶液でのゼータ電位・粒子径測定に加え、分子量測定を可能にしている。新しい機能として、粒度分布の分離能を向上させるため多角度測定を採用。また、粒子濃度測定やマイクロレオロジー測定、ゲルの網目構造解析も可能にした。新しくなったゼータ電位平板セルユニットは、新開発した高塩濃度対応コーティングにより、生理食塩水などの高塩濃度環境下での測定が可能。

大塚電子「ELSZneo」
大塚電子「ELSZneo」

 新東科学( https://www.heidon.co.jp/ )は、直交バランスアーム方式や測定中にカバー可能な機構を採用したスタンダードモデルの摩擦摩耗試験機「トライボギアTYPE:40」の実機を展示した。摩擦力を測定する荷重変換器を測定子直上に配置し、不要な機構をなくしたことにより、高いレスポンスとセッティングの誤差を排除した。また、試料テーブルの摺動方向をアームに対して直交させことにより、往路復路の荷重変動をなくし耐摩耗性評価の信頼性を大幅に向上させた。さらにY方向ステージを標準装備して13mmストロークするように設計、一度試験が終わった後もサンプルを付け替えることなく別の部分で測定が行える。オプションのトライボソフトを使用するとパソコンから簡単に条件入力、解析、さらに試験操作まで行える。

「トライボギアTYPE:40」
「トライボギアTYPE:40」

 THK(https://www.thk.com/)は、軸受に求められる機能と非磁性を高次元で両立する直動案内「LMガイド」、ボールねじ、ボールスプライン、クロスローラーリングといった「高機能非磁性製品」を紹介した。磁気をほとんど帯びず、かつ軸受に適した硬度を持つ特殊合金「THK-NM1」を使用することで、比透磁率が1.005未満という高水準の非磁性を実現、強磁場を発生させる核磁気共鳴分析装置(NMR)や電荷を帯びた粒子を扱う透過型電子顕微鏡(TEM)などでの使用に最適。また、特殊熱処理技術により、軸受に適した硬度が得られることで、従来のオーステナイト非磁性鋼と比べて大幅に優れた耐荷重性能を発揮、従来よりも小型形番を選定できるため装置全体のダウンサイジングに貢献できる。

THK「高機能非磁性製品」
THK「高機能非磁性製品」

 パーク・システムズ・ジャパン(https://www.parksystems.co.jp/)は、人工知能(AI)を搭載した次世代自動原子間力顕微鏡(AFM)「Park FX40」を展示した。ロボティクスと機械学習機能、安全機能、特殊なアドオンとソフトウェアを搭載。プローブ交換、プローブ識別、レーザーアライメント、サンプルの位置調整、サンプルへのチップアプローチ、イメージングの最適化など、スキャンにおけるパラメーターおよび事前準備に関わるすべての設定を自動で行える。機械学習の積み重ねでAIによる自動機能の適正化、スキャン前の煩わしい準備の自動化、複数のポイントを目的に応じて自動測定など、自動化AFMの実現によるユーザーの利便性とパフォーマンスを向上させた。

パーク・システムズ・ジャパン「Park FX40」
パーク・システムズ・ジャパン「Park FX40」

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部(https://www.bruker-nano.jp/)は、ナノ機械特性およびナノトライボロジー特性評価が可能な、コンパクト設計の卓上型ナノインデンテーションシステム「Hysitron TS 77 Select」を展示した。ナノからマイクロスケールで信頼性の高い機械的特性およびトライボロジー特性評価を提供。ナノ機械特性評価で最も利用頻度が高く、ベーシックな手法である定量的ナノインデンテーション試験、ナノ摩耗試験、In-Situ SPMイメージング技術、高解像度の機械的特性マッピング技術を有したエントリーモデル。オプションとして動的ナノインデンテーション、ナノスクラッチの機能も用意。

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部「Hysitron TS 77 Select」
ブルカージャパン ナノ表面計測事業部「Hysitron TS 77 Select」

 堀場製作所(https://www.horiba.co.jp/)は、検出器の改良と信号処理を高速化する独自アルゴリズムの採用で分析時間を最大65%削減するとともに、卓上型蛍光X線で世界初のホウ素からの軽元素分析を実現する微小部X線分析装置「XGT-9000 Pro/Expert」を展示した。蛍光X線では検出が非常に難しいホウ素(B)の分析が可能になったことで、より一般的な炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)などの軽元素が高感度に分析でき、従来は複数の装置を用いざるを得なかった酸化物や窒化物、有機物などの分析も1台で完結できる。

堀場製作所「XGT-9000 Pro/Expert」
堀場製作所「XGT-9000 Pro/Expert」

 リガク(https://japan.rigaku.com/ja)は、品質管理現場に最適なX線回折装置「MiniFlex_XpC」を展示した。誰でも簡単に使用でき、測定者による誤差のない評価が可能。広い検出面積を誇る高分解能・高速1次元検出器で測定データの高強度化を実現できるため測定時間が短縮可能。品質管理に最適な試料ローディング機構により、装置の扉を開かずに簡単に試料設置が可能。D/teXUltra250による短時間測定により作業効率を向上できる。最小3タップ(3クリック)で測定、解析、結果の一覧表示と合否判定ができる。5年程度の長期耐久性能を備えた試料水平小型ゴニオメーターを搭載。

リガク「MiniFlex_XpC」
リガク「MiniFlex_XpC」

 レニショー(https://www.renishaw.jp/)は、研究グレードの顕微鏡に高性能のラマン分光装置を統合した「inVia™ 共焦点ラマン顕微鏡」を展示した。効率の高い光学系により、極微量の物質からでも、最短時間で最高のラマンデータが得られる。高感度のため薄膜や単層から極わずかなラマン散乱でも検出しラマンスペクトルを取得できる。総合的なマッピングとイメージング技術の搭載により、2D領域でも3D空間でも情報にあふれた詳細なラマンイメージを生成できる。In Via Qontorの自動フォーカストラッキング技術により、曲面・粗面のサンプルでも分析でき、光学像観察とラマン測定の両モードでフォーカスを維持できる。

レニショー「inVia™ 共焦点ラマン顕微鏡」