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第9回ものづくりワールド名古屋

 

シチズン時計、DLCコーティングの新色を21年ぶりに開発

 シチズン時計は、腕時計のケースやバンドの素材表面に特殊な加工処理を施すことで時計本来の美しさを傷から守る独自の表面硬化技術「デュラテクト」において、従来ブラックのみだった「デュラテクト DLC」から21年ぶりの新色となる「デュラテクト DLCブルー」を開発した。このDLCブルーを採用した製品を男性向け主力ブランド「シチズン アテッサ」から、ブランド35周年記念第3弾「Blue Universe Collection」として本年11月10日より発売する。

シチズン時計 DLCブルー Blue Universe Collection mst 表面改質
デュラテクト DLCブルーを採用したBlue Universe Collection


 

 開発したDLCブルーは、独特の深い青色を素材表面に施すことができる表面硬化処理技術で、傷に強く、滑らかな触り心地のDLCの特性を維持しつつ青色を実現。シャボン玉が虹色に見える現象と同じ「薄膜干渉」という原理に着目し、高度なDLC成膜技術を用いて開発した。

 DLCはダイヤモンドと黒鉛の間の性質を持つ炭素膜だが、炭素同士のつながり方次第で黒鉛のような黒色にもダイヤモンドのような透明にもなる。同社では今回、成膜条件を最適化したダイヤモンド寄りの透明に近いDLC膜を開発。これを通常の黒色のDLC膜の上に成膜して積層構造とした。これに光を当てると、透明のDLC膜の表面で反射する光と、透過して下の黒色のDLC膜表面で反射する光とに分かれ、それぞれが干渉し合う「薄膜干渉」を起こす。その際、膜の厚みによって、特定の波長が強くなったり、弱くなったりすることで色が変わるが、同社では数十nmレベルで膜厚を均一に制御する高度な技術を用いて青色の波長を強め、DLCのみを用いて深い青色を生み出すことに成功したもの。

 

シチズン時計 DLCブルー DLCブルーの膜構成 mst 表面改質
DLCブルーの膜構成

 

シチズン時計 DLCブルー DLCブルーの深い青色を生み出す原理 mst 表面改質
DLCブルーの深い青色を生み出す原理


  

 DLCは擦り傷に強いだけでなく、非常に滑らかな触り心地が特徴で、同社では業界でいち早く2001年から腕時計にDLCを採用し、男性モデルを中心に数多くの商品を展開している。これまでブラックに限られていたDLCに新色DLCブルーが登場することで、デザインのバリエーションが広がることになる。

 このDLCブルーを採用した男性向け主力ブランド「シチズン アテッサ Blue Universe Collection」(本年11月10日発売)の詳細は、同ブランドのウェブサイト(https://citizen.jp/attesa/special/blueuniverse/index.html)で確認できる。