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SEMICON Japan 2024

 

JCU が染料系化合物を使用しない装飾用硫酸銅めっきプロセス開発

 JCU( https://www.jcu-i.com/ )は、金属やプラスチック素材にめっきを行う工程において、環境に負荷がかかる染料系化合物を使用しない高レベリング(平滑性)装飾用硫酸銅めっきプロセス「CU-BRITE DF-10」を開発した。

 独自に開発した非染料系の化合物をめっき薬品に添加することで、染料系化合物を使用したプロセスと同等以上の平滑性と光沢性をもつ銅めっき被膜外観にすることを可能にしたうえ、作業環境が改善される。同プロセスは従来の染料系プロセスの設備がそのまま使用可能で、焦げつきやピットなどの外観不良も大幅に抑制できる。また、染料系プロセスよりも活性炭による浄化が迅速に行えるなどの利点もあり、生産性向上にも大きく貢献できる。国内外の装飾めっき市場のニーズにお応えできる価格で提供できるよう、2022 年内の販売開始を目指している。

 自動車や水栓金具などに使用される部品の一部は、美しい金属外観および防錆機能を持たせるため、めっき技術により素材上に金属膜を形成している。その工程の一つである装飾用硫酸銅めっきプロセスでは、平滑で光沢のある外観を得るために、めっき薬品の添加剤として染料系の化合物を使用することが一般的。しかし、染料系化合物は合成する際に強力な酸化剤などを使用することから、製造工場での土壌汚染や、排水・廃液処理における環境負荷の軽減が課題となっている。また、染料系化合物は樹脂などの表面への吸着性が強く、少量の使用でも作業環境や周囲への汚染が広がるなど取り扱いが難しい物質でもある。同社では、染料系化合物の環境負荷を重く受け止め、非染料系の化合物でも従来プロセスを上回る性能を持つプロセスの開発を進めてきた。

硫酸銅めっきプロセスの使用例
左:硫酸銅めっきプロセスの使用例(自動車ドアハンドル) 右:装飾用めっき工程の一覧