日新電機( https://nissin.jp )のグループ会社である日新電機ベトナム(本社:ベトナム、以下NEV)は、ベトナム市場向けファインコーティングサービス事業を強化するため、PVDコーティング装置を追加導入した。装置は2月から本格的に稼働開始しており、ベトナム地域の工具・金型ユーザーに対し、用途に合わせた最適なコーティング膜をより迅速に提供している。
ベトナムでは、従来の二輪車産業や電子機器産業に加え、近年、海外大手自動車メーカーの進出やベトナム発の自動車メーカーも立ち上がるなど、自動車の需要拡大も見込まれている。製造業の発展とともに、これらの生産に用いられる切削工具・金型の長寿命化によるコスト削減効果や、加工速度向上によるスループット向上、コスト削減効果への期待からコーティング技術が注目されている。NEVでは2020年7月よりベトナム市場向けコーティング受託サービス事業を開始した。新型コロナウイルス感染症が収束してきた2022年4月以降、ベトナム経済の順調な回復を受けコーティング需要も増加しており、それら需要に応えるため装置を増設した。
今回導入した装置は、同グループ会社である日本アイ・ティ・エフ(森口秀樹社長)が製造した「アドバンスドコーティングシステムM500D」。新型蒸発源「ステアワン蒸発源」を搭載したことにより平滑で高品位なコーティング膜が形成できるため、切削工具や歯切工具、成型金型の耐摩耗性が向上し寿命を大幅に改善することができる。有効コーティング範囲もφ500×H600mmと従来比1.5倍となり、プレス金型などの大型基材への対応が可能となる。またコーティング設備増設により、窒化膜(TiN、AlTiN、AlCrN)やDLC膜など対応膜種の拡充と納期の短縮も実現している。