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SEMICON Japan 2024

 

日本熱処理技術協会、10月23日、24日に2023年度 第2回熱処理技術セミナーを開催

 日本熱処理技術協会は10月23日、24日、対面参加(製粉会館5F 第2・3 会議室:東京都中央区日本橋兜町15-6)およびオンライン参加からなるハイブリッド形式により、「2023年度 第2 回熱処理技術セミナー-熱処理応用講座-」を開催する。テーマは、「浸炭焼入処理~浸炭焼入れを幅広く俯瞰する~」。

 第2 回熱処理技術セミナーでは浸炭焼入処理を主題として取り上げ、焼入組織、浸炭反応の基礎、材料の分析技術、最新の浸炭設備、材料技術およびシミュレーションから構成され、浸炭焼入処理を理解するための知識を幅広く学べる講座で、企業における人材育成に最適なプログラムとなっている。

 申込締切は10月13日で、以下のURLから申し込みができる。対面参加の定員は30名。参加費は正会員36000円(税込)、維持会員36000円(税込)、非会員56,000円(税込)、高専、大学、大学院に所属する学生会員および非会員に適用される学生価格は10000円(税込)。

https://forms.office.com/r/8Q59XkVckV

 内容は以下のとおり。

10月23日

・8:55~ 9:00「開会挨拶および注意事項」日本熱処理技術協会

・9:00~10:30「鋼の焼入性と焼入組織」土山聡宏氏(九州大学)…鋼の焼入性や焼入組織(マルテンサイト)ならびに得られる硬さに対して、主な支配因子となる炭素濃度の影響、および付加的に添加される合金元素の影響について概説する。また、最近の解析機器を用いた研究成果を紹介し、マルテンサイトの強化機構に関する考え方について述べる。

・10:40~12:10「鉄鋼材料の浸炭反応の基礎」宮本吾郎氏(東北大学)…浸炭処理では、所望の表面炭素濃度を得るために、雰囲気ガス組成の調整が重要であることから、その基礎となる各種浸炭性ガスと鉄鋼材料間の反応における平衡状態や反応速度、それらに及ぼす添加元素の影響や、固溶した後の炭素の拡散速度の基礎的な考え方について解説する。

・13:10~14:40「浸炭焼入設備の変遷と今後の動向」藤原 稔氏(DOWA サーモテック)…各種産業を支える重要工程である熱処理は長年にわたるプロセス開発と合わせ、それに供する熱処理設備においても各時代の背景、ニーズに合わせた技術開発で進歩、発展してきた。本講義では浸炭焼入設備を中心に、これまでの変遷を振り返るとともに新たな時代の要請に即した今後の熱処理設備の技術動向についても紹介する。

・14:50~16:20「進化する滴注式ガス浸炭」木立 徹氏(オリエンタルエンヂニアリング)…現在、ガス浸炭法としては変成炉式と滴注式のガス浸炭法がある。滴注式浸炭法はメタノール分解ガスをキャリアガスとし、高CO、高H2雰囲気での高速かつ均一な浸炭が可能である。近年では真空排気機構、断熱構造等の改良により省エネルギー化、安全性、品質が向上している。本講義では、本方式の基礎的な原理と特徴について解説する。

・10月24日

・10:00~11:30「数値シミュレーションと実験をつなぐデータ同化」山中晃徳氏(東京農工大学)…熱処理において材料内部で進行するミクロ組織形成の数値解析手法としてフェーズフィールド法が有用であるが、定量的な解析結果を得るためには数理モデル内のパラメータや物性値が必要である。本講義では、取得可能な実験データからパラメータなどを逆推定するとともに、解析結果の精度向上に有効なデータ同化について解説する。

・12:30~13:30「真空浸炭炉内のガス流れ・浸炭の連成シミュレーション」牧野総一郎氏(豊田中央研究所)…本講義では、真空浸炭炉内のガスの流れを、材料への浸炭と連成しながら計算する新しいシミュレーション技術について、一般的な流体シミュレーション技術の概要を含めて紹介する。また、本手法を実際のテスト浸炭炉や、複数の鋼材が配置されるバッチ式浸炭炉に適用した際の予測精度や有用性、今後の展開についても紹介する。

・13:40~15:10「材料表層のキャラクタリゼーション」杉山昌章氏)(大阪大学)…本講義では、鉄鋼材料の熱処理組織を調べる電子顕微鏡(SEM、TEM)や三次元アトムプローブ法の概要を述べ、浸炭などの表層からの深さ分布を考慮する場合に重要となる試料の作製方法や、X線回折法、グロー放電発光分析(GDS)法、FE-EPMA法、電子後方散乱回折(EBSD)法など、材料表層の分析技術について概説する。

・15:20~16:50「浸炭部品の高性能化のための材料技術」奥田金晴氏(JFEスチール)…浸炭用鋼材は、自動車用機械部品としての優れた強度・疲労特性や部品製造工程でもさまざまな特性が要求され、最近ではカーボンニュートラル(CN)の観点からの対応技術も求められている。本講義では、浸炭用鋼材に求められる代表的な特性とその向上策、CNの観点から部品製造工程省略を目的とした研究事例について紹介する。