DOWAサーモテック( https://www.dowa.co.jp/thermo-tech/ )は、子会社であるDOWAサーモエンジニアリングの浜松工場(以下、浜松工場)に新たに開発した次世代型浸炭焼入炉「Z-TKM」の試験設備を導入し、2023年4月から実証評価を進めてきた。その結果、2023年11月から「Z-TKM」を用いた熱処理受託加工の量産処理を開始するとともに、自動車部品大手メーカーより「Z-TKM」を1基、受注した。
この焼入炉は、熱処理の品質を維持しながらリードタイムの短縮を実現できることから、生産性向上に寄与するとともに、熱処理プロセスで使用するガス量やCO2の排出量を最少化することができる熱処理炉だという。また、グリーンエネルギーやアンモニアバーナー・水素バーナーを組み合わせることにより、熱処理工程内のCO2をほとんど排出させない操業が可能となる。
同社では、この焼入炉について熱処理受託加工と設備販売の両面からサービスを提供する。熱処理受託加工では、引き続き多くの顧客と試作や認定手続きを進めている。また、今後の受注拡大を見据えて、浜松工場に「Z-TKM」を追加導入した。今後、国内外のその他の熱処理工場にも同焼入炉を順次、導入していくことにより、同焼入炉による熱処理受託加工をグローバルに展開し、顧客のサプライチェーンにおけるCO2排出削減を実現していく。
設備販売について、「Z-TKM」は顧客におけるカーボンニュートラルの達成を支援する強力なツールとなるため、さらなる受注拡大を図っていくという。既存の熱処理設備(TKMシリーズ)を導入している顧客においては、設備本体のサイズが同等のため、油槽ピットの工事等をせずに置き換えることができる。また、ピットレスでの新規設置も可能であり、顧客のニーズに合わせて対応していくという。