メインコンテンツに移動
mstkouenkai

 

日本熱処理技術協会、10月24日、25日に2024年度第2回熱処理技術セミナーを開催

 日本熱処理技術協会は10月24日、25日の両日、対面参加(定員:30名、製粉会館:東京都中央区日本橋兜町15-6)およびオンライン参加からなるハイブリッド形式により、「2024年度 第2 回熱処理技術セミナー-熱処理応用講座-」を開催する。テーマは、「窒素活用による表面改質技術の最前線」。

 第2回熱処理技術セミナーでは窒素を活用した表面改質技術について取り上げる。窒素を活用した表面改質は、金属材料の表面にさまざまな機能を付与する処理として広く活用されている。さらに、新しい技術の開発も継続しており、進歩が著しい熱処理技術の一つである。本講座では、窒素を活用した表面改質技術について、第一線で技術開発に取り組んでいる講師を招いて講演がなされる。社員教育をはじめとした企業における人材育成に最適なプログラムとなっている。

 申込締切は10月20日(または定員に達した場合)で、以下のURLまたはQRコードから申し込みができる。参加費は正会員46200円(税込)、維持会員46200円(税込)、非会員68200円(税込)、高専、大学、大学院に所属する学生会員および非会員に適用される学生価格は9900円(税込)。

https://forms.office.com/r/Ne9eSNAYMW

2024年度 第2 回熱処理技術セミナーQRコード

 

 内容は以下のとおり

10月24日

・9:25~ 9:30「開会挨拶および注意事項」日本熱処理技術協会

・9:30~10:30「自動車分野における窒素活用技術の開発事例~浸窒焼入の量産化、高強度窒化の基礎開発~」田和久佳氏(トヨタ自動車)…近年、カーボンニュートラルや製品ニーズの変化を受けて窒素を活用した熱処理技術がより一層注目されている。本講演では、当該熱処理に携わる人々の参考になればという視点で、過去にトヨタ自動車で取り組んだ「窒素を活用した熱処理技術開発」の中から二つの事例を取り上げ紹介する。

・10:40~12:10「ガス窒化、ガス軟窒化技術~雰囲気窒化処理の基礎と応用~」武本慎一氏(DOWAサーモテック)…浸炭と並ぶ代表的な表面硬化処理として工業的に広く用いられている窒化処理は、各種鋼部品の耐摩耗性、耐疲労性の向上だけでなく、低温域での処理であることからCN への貢献も期待されている。本講演では、ガス窒化、ガス軟窒化の基礎とプロセスの実際について解説するとともに、最近の開発事例についても紹介する。

・13:10~14:40「塩浴軟窒化と周辺技術~塩浴軟窒化処理の概要と特徴~」石塚はる菜氏(日本パーカライジング)…高合金鋼やステンレス鋼などの窒化しにくい鋼にも適用できる塩浴軟窒化処理は、自動車部品を中心に幅広く適用されている。本講演では、塩浴軟窒化処理の基礎や特徴を概説し、その特性についても紹介する。

・14:50~15:50「窒化のモデリング技術~物理モデルから機械学習モデルへ~」宮本吾郎氏(東北大学)…窒化は表面から吸収された窒素が内部へ拡散すると同時に、材料中の窒化物生成元素が合金窒化物として析出して表面近傍を硬化させるため、そのモデル化には拡散と析出の両方の考慮が必要であった。一方、最近のデータ科学的手法を用いることで、そのような物理モデルに立脚せず窒化挙動をモデル化する取り組みも始まっている。本講演では、それら窒化モデルについて講師の取り組みを中心に紹介する。

 

10月25日

・9:00~10:30「浸窒処理の現状と課題~窒素を活用した表面熱処理技術の展望~」築山訓明氏(岡山県工業技術センター)…カーボンニュートラルやSDGsなど、熱処理分野においても、環境問題対策への要求が高まっている。本講演では、浸窒焼入れを中心に、アンモニアガスや窒素ガスを活用した表面熱処理技術の概要と、これら熱処理の展望(と期待)について考察する。

・10:40~12:10「軸受用鋼の浸炭浸窒処理~浸炭浸窒による転がり軸受の高強度化~」水田浩平氏(NTN)…浸炭浸窒処理が施された転がり軸受は、窒素の侵入や固溶などによってその表層が改質され、さまざまな特性が付与される。本講演では、軸受用鋼に用いられる浸炭浸窒処理方法を概説し、浸炭浸窒処理が施された転がり軸受の性能例を紹介する。

・13:10~14:40「窒化雰囲気制御とセンサ技術~窒化ポテンシャル・浸炭ポテンシャル同時独立制御の実際~」河田一喜氏(河田技術士事務所)…本講演では、ガス窒化、ガス軟窒化、浸窒焼入れ、ガス浸炭窒化処理の雰囲気制御について紹介する。特に、水素センサ、酸素センサ、赤外線NH3センサを使って窒化ポテンシャル(KN),浸炭ポテンシャル(KC)を制御することで、目的とする相組成の化合物層や狙った炭素・窒素濃度のマルテンサイトの形成を可能にする雰囲気制御技術について紹介する。

・14:50~16:00「プラズマ窒化を利用した複合表面改質処理~複合表面改質処理による性能向上の適用例~」池永 薫氏(日本電子工業)…プラズマ窒化は1932年にドイツで発明され、1973年に日本で実用化されるようになった。近年、プラズマ窒化は窒素および水素ガスを用いた安全かつ作業環境に配慮したプロセスとして注目されている。本講演では、プラズマ窒化の概説から本法を利用したセラミックコーティング等との複合表面改質の応用および事例について紹介する。