大同特殊鋼( https://www.daido.co.jp/ )は、自動車部品の熱処理に対応した連続式真空焼鈍炉の初号機を発売し、浜名部品工業から受注した。
本設備は、ヒーター加熱式を採用することで、エネルギー源を電気のみとし、化石燃料を一切使用しない熱処理炉。CO2排出係数がゼロのカーボンフリー電力を使用することで、顧客のCO2排出量ゼロを可能とする。また、従来の雰囲気焼鈍炉では、化石燃料由来の炉内雰囲気を必要としていたが、炉内を真空にすることで従来の設備と同等以上に酸化および脱炭を抑制しながら、雰囲気ガスの使用量をゼロとしている。
同社はこれまでも、主に磁石製造などにおける焼結工程向けに、連続式真空熱処理炉を販売している。本設備の提案にあたり、同社が培ってきた真空技術を鍛造部品や電磁鋼板といった自動車部品の焼鈍工程向けに応用した。今回の受注は、本設備による完全カーボンニュートラル熱処理の提案が、CO2排出量削減に取り組む自動車部品サプライヤーに評価されたものだという。
また、同社は工業炉のカーボンニュートラルを推進する技術として、今回の「電化×真空」のほかに、「水素バーナー+炉内雰囲気のCO2分解」の開発を進めており、「カーボンニュートラルSTC炉」の2027年以降の販売開始を計画している。