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富士経済、ペロブスカイト太陽電池の主要部材市場調査結果を発表

 富士経済は、次世代太陽電池の本命として注目され、社会実装が近づいているペロブスカイト太陽電池の主要部材について調査した。その結果を「ペロブスカイト太陽電池の主要部材・材料の市場とサプライチェーン動向」( https://www.fuji-keizai.co.jp/report/detail.html?code=112508906 )にまとめた。

 この調査では、ペロブスカイト太陽電池向けの部材7品目(バリアフィルム、TCO基板、ペロブスカイト材、電子輸送材、正孔輸送材、背面電極材、封止材)を対象とし、市場動向や参入企業の開発動向、課題などについて分析した。

 主要部材のうち、バリアフィルムはフィルム基板型にのみ使用され、その他はガラス基板型、フィルム基板型双方で使用される。ペロブスカイト太陽電池の普及に従って市場が成長するため、市場の立ち上がりは2025年以降、本格的な成長は2030年以降となり、単価の高いバリアフィルムやTCO基板が大きく拡大するとみられる。

 将来的には価格の高い部材のコストダウンが予想されることから、市場は出荷数量ベースと比べると緩やかな伸びになるとみられる。

 バリアフィルムは、極めて高い防水・防湿性能を持つ保護フィルムであり、フィルム基板型PSCにおいては、湿気や酸素の侵入を防止する。

 現状は高コストが課題の一つである。一般的に多積層であるほどバリア性が高まるが、比例してコスト増となるため材料や構成・製造方法などの最適化が必要とされる。将来的には需要の高まりに応じて現状の半額程度まで価格が下がると期待される。

 TCO基板(透明導電膜付き基板)は、基材(ガラス/フィルム)上にFTO(フッ素ドープ酸化スズ)膜やITO(酸化インジウムスズ)膜などをコーティングした導電性を持つ基板であり、光入射面側の電極として用いられる。透明導電膜の性能はPSCの変換効率や耐久性に直結するため、高い品質が求められる。

 中でもITOの原材料であるインジウムは希少金属の一種であり、高価かつ安定供給に懸念がある。ディスプレイや半導体アプリケーションの需要増加もあってインジウム価格は高値が続いており、国内外で代替材料が模索されている。各素材には課題があるものの、安価な代替材料の研究が進むことなどでTCO基板のコストダウンが期待される。