全国鍍金工業組合連合会(全鍍連、https://zentoren.or.jp/ )は5月29日、東京都港区の機械振興会館で「令和8年度通常総会」を開催した。
主催者を代表して挨拶に立った山﨑慎介会長(神奈川県メッキ工業組合 理事長)は「私は会長就任の時に、一つの常設委員会の活性化を図るべく、各担当副会長、委員長、副委員長には適材適所の方、その分野の専門家と思われる方にご就任いただき、大幅に若返らせていただいた。言わば、「仕事人内閣」をもって改革を進めてきた。また、各委員会に新たに青年部の枠を設けさせていただき、各専門分野に長けた方に委員としてご参加いただき、若い発想で委員会に新風を吹かせていただいた。今年度は、女性部会の方から新たに各委員会にご就任いただく。まだまだ男社会のめっき業界だが、女性のご意見、女性の目線で全鍍連を変えていっていただきたい。また就任時に、改革に関しては「どんな大御所の方に対しても絶対に忖度をしない」「特別扱いもしない」「遠慮もしない」と宣言した上で、また逆に若い方にも「忖度されたくない」「会長と呼んで欲しくない」と、こういった話をして運営を進めてきた。同時に負担軽減、待遇の改善といった事務局の改革に取り組んできた。そんな中でも財政基盤の強化に積極的に取り組み、賛助会員の会費の倍増の値上げを認めていただいたこと、また賛助会員の大幅な増強にも取り組んできた。そして展示会SURTECHの出展者も大幅に増員し、財政基盤の強化を図ってきた。今年度もこの方針は維持しながら、新たな取り組みを加えて、改革の歩みを止めることなく、基本方針は絶対に曲げることなく、皆様のご意見を大いに伺いながら、変えるべきところは変え、邁進していく」と述べた。
当日は第1号議案から第8号議案について審議、満場一致で可決された。事業報告では、めっき事業に特化した「めっき保険」への加入事業所が69社となったことや、育成就労制度・特定技能外国人制度として山﨑会長直轄の「特定技能・育成就労制度特命チーム」を設置し国および工業製品製造技能人材機構への要望などを行ったこと、第33回となる令和7年度全国めっき技術コンクールで430件の応募があり全鍍連会長賞132件を含む合計177件の表彰を行ったことなどを報告した。事業計画では①適正取引と価格転嫁の実現②組織基盤の強化と財務の強靭化③業界連携とネットワーク構築を三つの柱を軸としていくことを確認した。具体的には、めっき業に関連する原材料価格・賃金指標などの推移を組合限定ホームぺージに掲載するなど価格転嫁の一助となるデータを継続的に提供していくことや、各組合と連携して地域内の組合未加入めっき事業者の加入促進に取り組んでいくこと、表面技術協会や日本表面処理機材工業会をはじめとする関係団体との連携を一層強化し、めっきサプライチェーン全体が有機的に結びつく体制づくりを推進していくことなどが予定されている。
当日の席上では、全鍍連の活動やめっき業界の発展や技術向上、環境問題への対応などに多大な貢献をした人物に贈られる岸賞の表彰式を開催、東京都鍍金工業組合・東京鍍金公害防止協同組合 技術顧問および東京都立産業技術研究センター フェローの小坂幸夫氏に表彰状が授与された。小坂氏は環境省・経済産業省による6価クロム等の排水規制に関するヒアリングへの協力や、実験データの収集・分析による調査研究による行政・現場の両面から業界全体の環境対策への多大な貢献、また平成25年度より全鍍連全国めっき技術コンクールの審査委員長を務めた審査指導への尽力が認められた。小坂氏は「私は、昭和49年に都立産業技術研究センターに入り、主に都内の中小企業の技術支援を担当していた。私は環境対策の部門だったので、めっき業界の皆様方へは、排水処理や廃棄物処理、環境対応でご協力させていただいた。また、ここ10年くらいめっきコンクールの審査委員として、全国の皆様の業界内での技術の競争を通した技術発展に協力をさせていただいている。このめっき業界というのは、大変環境対応の難しい業界だと思っている。その中で私は排水処理や、多くの技術研究、技術支援をしてきた。それらの結果の発表などで、それなりに皆様のお役に立てたかなという風には思っている。現在でもまだ多くの課題がある。排水対策の暫定基準の項目の対策はまだ不十分であるし、化学物質のリスクアセスメントの課題、土壌汚染対策などの課題はこれからもずっと続いていく。私は今までの努力を続け、データを出して外に広げていきたいと思う。特にこれからは関連する役所、学会、それから都内の公的な試験研究機関などと連携をして、少し広げた形でさらに努力したいと思っている」と謝辞を述べた。





