大日本印刷(DNP、 http://www.dnp.co.jp )と子会社で機能性材料の開発・販売を行うDNPファインケミカル( http://www.dnp.co.jp/finechemicals/ )は、タッチパネルなどの機能性フィルムが丸まってしまう現象(カール)を防ぐとともに、高硬度と透明性を実現するコーティング原料「FCNSシリーズ」を開発した。DNPファインケミカルが10月からに販売を開始する。
同品は、フィルムに塗布するハードコート剤の原料となるシリカ分散液。15~30nm径と極めて微細なシリカ粒子を使用し、化学反応によって、ある物質と別の原子団などを結合させる化学修飾をシリカ粒子の表面に施している。これにより、基材フィルムのカールを抑制するとともに、高い全光線透過性と低いヘイズ性(濁度)を保持することが可能となった。
タッチパネルを保護するカバーフィルムやディスプレーの最表面に用いられる光学フィルムの多くには、表面保護を目的としてシリカ微粒子を用いたハードコート剤が塗布されている。従来のハードコート剤は、塗布後、UV(紫外線)を照射した際にフィルムをカールさせてしまう傾向があり、ディスプレーとの貼り合わせ工程などで不具合を引き起こす恐れがあった。この課題を解決するため、両社は、高硬度と透明性を維持しながらもフィルムのカールを防ぐ表面修飾シリカ分散液を開発した。
今後は顧客のニーズに合わせて防汚性や滑り性を高めるなどの機能を付与するカスタマイズのほか、ハードコート剤自体の設計・開発にも対応すという。