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SEMICON Japan 2024

 

新東工業、LEDチップ製造工程のエピウエハの反りを矯正するマイクロブラスト装置

新東工業「マイクロブラスター MBF-ML型」 新東工業( http://www.sinto.co.jp )は、LEDチップ製造工程におけるエピウエハの反りを矯正するマイクロブラスト装置「マイクロブラスター MBF-ML型」の販売を開始した。LEDエピウエハの反りを矯正する装置は国内、海外に存在せず、同社が世界に先駆けて技術開発し、装置を製造・販売するという。

 同品は、同社子会社の新東Sプレシジョンのレーザー計測技術によってウエハの反り量を計測し、新東のマイクロブラスト技術によって反り量に応じた矯正を実施するもので、レーザー測定機とマイクロブラスト装置が1パッケージ化された装置となっている。LEDエピウエハをカセットに収納した状態で装置に挿入するだけで、①初期反り計測②反り矯正加工③加工後反り計測の一連の工程を、ウエハの反り量に応じて自動で行うことができる。一方、マイクロブラストによるウエハの反り矯正加工では、噴射材の直下吸引システムとドライクリーナーの組合せにより、クリーン度の高い装置環境が維持でき、クラス10000のクリーンルーム対応も可能となっている。さらに、φ4インチ~φ8インチまでのウエハの大型化にも、冶具交換のみで対応できる。

 同品により、エピ後のチップ化工程での加工精度向上、裏面研磨工程でのウエハ破損の減少、4インチウエハで2.5%前後のチップ歩留の向上が見込める。また、電極膜の密着性向上、電極線幅の均一化等の効果により2%程度の輝度向上も見込めるという。

 一般照明用白色LED市場が急拡大している状況下、国内外のLEDチップメーカーは、ウエハサイズの大型化に伴い、GaN膜(窒化ガリウム膜:LEDの発光デバイス部)形成後のウエハの反りが大きくなり、後工程でチップ歩留が低下することに加え、ウエハの反りを防ぐためにウエハ厚を大きくする必要があり、これがコストアップ要因となることから、その解消が大きな課題となっていた。今回開発した装置は、こうしたLED製造工程の課題を解決する新工法として、「ソルファイン加工技術」の一つであるマイクロブラスト工法を活用したエピウエハ反り矯正技術を開発し、装置化した。