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SEMICON Japan 2024

 

NEDO、ナイロンファイバに有機導電性ポリマを連続的にコーティングする技術などで1.2m角のタッチセンサ実現

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、従来の技術では実現が困難だったメートル級の大面積で動作するタッチセンサの製造プロセスを確立した。有機導電性ポリマを連続的にコーティングしたファイバを高精度に製織する電子デバイス製造実装技術の開発により、従来のウェハサイズ(直径30cm以下)を上回る1.2m角の大面積での製造が可能になった。

 メートルサイズへのスケールアップにより、介護用品や体感型ゲーム用センサなど幅広い分野での利用が期待される。この研究開発は、異分野融合型次世代デバイス製造技術開発(BEANS)プロジェクトの一環として実施された。

 BEANSプロジェクトでは、メートル級の大面積を実現するために、ナイロンファイバに有機導電性ポリマ(PEDOT:PSS)を連続的にコーティングする技術、およびファイバを低摩擦で織りこむための自動織機技術を開発した。

製造プロセス製造プロセス
 
 今回開発した技術は、ファイバなどの繊維状の基材表面に均一な膜厚の機能性薄膜を塗布するために、材料液の供給方法や塗布ヘッド形状を改善し、さらに洗浄、塗膜形成、熱処理の各プロセスを連続して行うことを可能としている。

 この成果により、高真空を必要としない低コストなプロセスで、大面積タッチセンサの試作に成功した。センサの原理としては、糸と人との間の静電容量を検出する方式で、縦糸と横糸とで人が触った場所を特定するもの。