富士フイルム( http://www.fujifilm.co.jp/ )は、デジタルカメラやプロジェクター、監視カメラに用いる高性能レンズの生産能力を増強するため、フィリピンに光学レンズの加工・組立を行う新工場を建設する。新工場は、平成24年10月に着工、平成25年6月に稼動の予定。
新工場は、光学レンズの研磨やコーティングなどの加工から組立までを一貫して生産できる工場とする。ガラスレンズの表面をナノオーダーで高精度に研磨する「レンズ研磨機」や、反射防止用多層薄膜を形成する「真空蒸着機」などの生産設備を導入し、デジタルカメラ・プロジェクター・監視カメラの高性能レンズを生産していく。
また、平成25年6月の稼動開始から段階的に生産設備を増強することで、平成27年度には18百万枚/年まで引き上げ、伸張する光学レンズの需要に対応する。なお、総投資金額は23億円を計画している。
同社は、デジタルカメラレンズや携帯電話用カメラモジュール、放送用TVレンズ、監視カメラ用レンズ、プロジェクター用レンズなどを扱う光学デバイス事業を重点事業の一つつとして位置付け、取り組みを加速させている。
光学レンズは、民生用から業務用まで幅広い製品で使用され、今後も世界的に成長が見込まれている分野。現在、デジタルカメラ・監視カメラなどの各種カメラやプロジェクターなどの高性能化、経済成長が著しい新興国などでの普及率向上に伴い、光学性能が優れたレンズの需要が伸長しており、今後もその傾向は継続していくと予想されている。