三菱マテリアルツールズ( http://www.mitsubishicarbide.com/mmc/jp )は、CVDダイヤモンドコーティングドリル「WSTARドリルシリーズ」にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の穴加工用「MCS形」を追加した。初年度1億円の売上を見込んでいる。
同品は、WSTARドリルをベースとし、航空機などへの適用が拡大しているCFRPの穴加工に特化した新シリーズ。CFRPは高い比強度を持つ反面、炭素繊維が高強度であるため工具寿命が極端に短く、また、積層体構造であるため、穴加工時にデラミネーション(層間剥離)が発生しやすいなどの難しさがある。加工部位によっては、CFRPとアルミニウム合金の重ね板加工を行うことがあるが、この重ね板加工は、両者の被削性が異なるため、さらに難しい加工となる。
同品は、CFRPやCFRPとアルミニウム合金の重ね板の穴加工に特化した切刃デザインと新開発の多層微粒ダイヤモンド結晶制御技術によって耐摩耗性と平滑性を向上させたCVDダイヤモンドコーティング超硬材種「DD2010」の採用により優れた穴精度と長寿命を実現した。さらに、三菱独自の素材成形技術によるクーラント穴を付加することで、特にCFRPとアルミニウム合金の重ね板加工をする際の切りくず排出性が向上し、高い穴精度を実現するという。