スイスに本社を置く表面改質などの機械的特性評価試験機メーカーのCSM Instruments社は先ごろ、横浜企業経営支援財団(IDEC)の運営する横浜市鶴見区の横浜新技術創造館(リーディングベンチャープラザ)に日本支店(グウェン ボロレ代表)を開設した。そのオープニング・セレモニーとして来年1月28日、産学官の試験機ユーザーを招待してのミーティングを開催する。場所は横浜市を予定している。
CSM Instruments社は材料表面・コーティング層のトライボロジー特性評価を可能にする試験機を開発・製造、約30年前に1号機が開発されたスクラッチ試験機「レベテスト」は、硬質薄膜の特性評価で世界的に定評がある。そのほか、高温、高真空環境からナノ領域に至るトライボメータや、マイクロから、ナノ、ウルトラナノ領域までのインデンテーション装置、膜厚計測のためのカロテスト、カロウェアーなどトライボロジー特性の計測に欠かせない試験装置を次々に開発し、市場に投入している。拠点はスイス本社、米国子会社、ドイツおよび中国事務所とグローバル展開、日本ではこれまでナノテックがDLCなど被膜の評価装置として代理店販売していたが、今回直接販売に切り替え、アフターケアも含めて国内での事業展開を強化するため、地方へのアクセスも良好な横浜に日本支店を開設した。環境や雰囲気などを細かく制御したトライボロジー試験が強く求められる日本の研究機関などからのニーズを本社研究開発部門にフィードバックし、ハードとソフトの両面で、各種ニーズに対応した日本独自の試験評価ソリューションも提供していく。これにより同社では、2015年にスクラッチ試験機の国内シェアを30%に拡大する目標を掲げている。
オープニング・ミーティングでは、CSM Instruments社からの新しい装置や新技術についての報告のほか、官学の試験機ユーザーから適用事例などの紹介が行われる予定。同ミーティングのスケジュールは以下のとおり。
・13:00~13:20ご挨拶…CSM Instruments社CEO Jacques Francoise氏
・13:20~13:40ご挨拶、ミーティングのご案内…CSM Instruments 日本支店 グウェン ボロレ氏
・13:40~14:20「スクラッチ試験の3次元有限要素解析」…静岡大学 工学部機械工学科機械工学講座 准教授 早川 邦夫氏
・14:20~15:00「試験機の最新アプリケーションの紹介」…CSM Instruments 日本支店 グウェン ボロレ氏
・15:20~16:00「Introduction of our new products」…CSM Instruments社 Nicolas Conte氏
・16:00~16:30「DLC膜のトライボロジー特性評価」…神奈川県産業技術センター 機械・材料技術部 堀内崇弘氏
・16:30~17:15 CSM Instruments日本支店およびIDEC横浜の見学
・17:45~19:30懇親会