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SEMICON Japan 2024

 

富士経済、耐熱・透明フィルム/シートおよびコーティング材の有望市場を調査

 富士経済は、2012年9月から11月にかけて耐熱・透明フィルム/シートおよびコーティング材の有望市場を調査した。その結果を報告書「2013 耐熱・透明フィルム/シートとコーティング材の用途探索」にまとめた。

 この調査では、原反フィルム/シート、コーティング材、機能性フィルム/シートと3カテゴリーに分けた計28品目市場の現状を分析し今後の方向性を予測した。原反フィルム/シートでは、フィルム基材を9品目取り上げ、コーティング材では、基材を高付加価値化する11品目のコーティング材を取り上げた。特に導電材は材質を細分化し実態の把握に努めた。8品目の機能性フィルム/シートでは、これら原反フィルム/シートとコーティング材で付加価値を高めた応用製品を取り上げた。

 耐熱性・透明性に優れたフィルム/シートはFPDをはじめエレクトロニクス製品の基幹部材として世界での需要拡大に伴って市場規模を拡大してきた。しかし液晶ディスプレイ(LCD)は成熟しつつあり、耐熱・透明フィルム/シートはFPD依存から脱却が必要となっている。 一方、高成長市場である太陽電池や照明分野では製品の普及によって急速に価格下落が進んでおり、メーカーは、製品差別化の一環としてデバイスのフレキシブル化ニーズへの対応が求められ、耐熱・透明フィルム/シート基材とコーティング材の組み合わせを最適化し技術課題を解決する物性の新たな重要部材を開発しようとしている。

耐熱・透明フィルム/シート/コーティング材機能性フィルムの世界市場耐熱・透明フィルム/シート/コーティング材機能性フィルムの世界市場
 11年の耐熱・透明フィルム関連の世界市場は、原反フィルムが7372億円とFPD分野で導光板やバックライトユニットの構成部材のほか、製造プロセス時にも使用されている。コーティング材は、ITOターゲット材やハードコーティング材の需要の伸びに牽引されてその需要は今後さらに高まる見通し。太陽電池や照明用途で16年に向けて年平均8.5%の伸びが期待される。 機能性フィルムは、11年には、前年比17.0%増の495億円となった。現在はタッチパネル向けに高い伸びで拡大している。13年以降は太陽電池や照明用途での需要は拡大するが全体としてはほぼ横ばいになると予測している。

 コーティング材の調査対象は以下の11種。1.ITOターゲット材、2.ITOペースト、3.導電性ポリマー、4.銀メッシュ用ペースト・ナノインク、5. 銀ナノワイヤーインク、6. カーボンナノチューブインク、7.ハードコーティング材、8.自己修復コーティング材、9.バリア膜、10.光学調整層、11.ナノインプリント用樹脂