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SEMICON Japan 2024

 

ASTEC,SURTECH表面改質関連セミナーみどころ紹介

昨年のセミナーのもよう昨年のセミナーのもよう 「ASTEC 2013 第8回 先端表面技術展・会議」、「SURTECH2013 表面技術要素展」、「nano tech 2013 第12回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」など12の展示会が1月30(水)~2月1日(金)の三日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催される。ASTECとSURTECHでは、DLCコーティングやセラミックコーティング、めっき、撥水・親水性表面処理、ブラスト加工などの「表面処理・コーティング・接合技術」、表面張力・形状・硬さ・粗さ測定機やPVD・CVD装置などの「表面処理・加工・計測装置」、機能性ナノ薄膜や樹脂・コーティング材など「材料・素材」などの展示スペースを設け、各分野における最先端の表面処理技術などの展示を行う。

 また展示の他には、表面改質関連のセミナーが多数開催される。本稿では、ASTECの第8回先端表面技術会議、SURTECH特別講演、表面技術協会部会講演会の中から編集部注目のセミナーについて紹介する。


 表面改質関連セミナー1日目(30日)は、SURTECH特別講演として「多孔質めっき」と「電子部品におけるめっき技術の可能性と展望」と題しためっきの話題が2件、「溶射による表面改質の最新動向」と題した溶射の話題について1件の講演が行われる。表面技術協会(以下、協会)の部会講演会では、新たな環境規制の情報提供と対策法の提示、リサイクル技術、低環境負荷表面処理技術、無害化技術、環境評価技術、危機管理などに取り組んでいる表面技術環境部会が3講演、ドライプロセスによる材料機能の創製(物理蒸着法、化学蒸着法、溶融成膜法、表面硬化法、表面加工法、エッチング法)について年4回の研究例会を開催している材料機能ドライプロセス部会が4件の講演を行う。

 2日目(31日)は、協会ナノテク部会、電鋳・金型の表面処理研究部会/表面改質・硬化部会が話題提供を行う。ナノテク部会では、東京都立産業技術研究センターの川口雅弘氏が「DLC(diamond-like carbon) 膜とその評価法 -現状と展望-」と題して講演。昨今、脚光を浴びているDLC膜について、その成膜法や評価法について解説するほか、これまでの日本の市場動向や今後の展望などについて紹介する。電鋳・金型の表面処理研究部会/表面改質・硬化部会では、パーカー熱処理工業の渡邊陽一氏が「自動車材料と表面改質」の演題で自動車に使用される歯車など、高面圧化ニーズが高く低フリクション性能を要求される部材の材料と表面改質技術について設計の考え方から従来の技術および最新の技術について紹介する。もう1件は航空機の話題。JALエアロ・コンサルティングの笹原修氏は「航空機材料と表面改質」と題して、航空機に使用される材料の概要を説明し、表面改質技術が多用されているエンジンと脚について詳細を説明する。エンジンについては、構造や整備の概要を紹介するとともに、タービン翼の進歩に材料や表面改質技術が果たしてきた役割について、脚については構造、材料、および使用されている表面改質技術(めっき)について概要を説明する。

 同日にASTECの第8回表面技術会議として、テーマ1「エネルギーの未来を拓く表面処理技術」、テーマ2「自動車産業の発展を支える表面処理技術」で合計9件の講演が行われる。テーマ2では、神奈川県産業技術センターの加納眞氏が「DLCコーティングの自動車部品への適用技術と展望」と題して、アルミニウム合金基材へのDLCコーティング技術と、DLCと環境調和型潤滑剤の組合せによる大幅なフリクション低減技術の二つについて紹介し、自動車摺動部品へのDLCコーティング適用技術の発展の可能性について概説する。また、このテーマではDLCの国際標準化について2件の講演が実施される。1件は東京工業大学教授の大竹尚登氏による「ここまで来たDLC技術(国際標準化を目指して)」。DLCの定義と分類をsp3結合比と水素含有量により整理することを試みた結果を紹介。まずDLCの範囲について検討し、sp3結合比として現在報告されている約90%を上限に設定した点を述べる。そしてsp3比の定量化方法について詳細に検討・補正を行い、精度を高めてノンドープDLCの分類図を定め、応用例を当てはめた結果について述べる。もう1件は、ナノテック・平塚傑工氏による「ここまで来たDLC評価技術(国際標準化を目指して)」。自動車部品をはじめ様々な製造工程で利用が広がっているDLCの各種評価技術に関して解説。ニューダイヤモンドフォーラムが取り組んでいるDLC評価技術の国際規格化の最新情報として、特に分光エリプソメトリ法を用いた光学評価について基礎から事例を含めて解説する。今後のDLCの発展を見据えながら、自動車部品への表面処理を含めた各種応用に役立つ品質管理方法を紹介する。

 3日目(1日)は、SURTECH特別講演が2件、協会でAl,Ti,Zr,Nb,Mgなどバルブメタルおよびそれに準ずる金属の陽極酸化皮膜の生成理論、構造解析および応用に関する研究を行っている金属のアノード酸化皮膜の機能化部会と、アルミニウム、マグネシウムなど軽金属の表面処理技術の研究調査などを行うライトメタル表面技術部会がそれぞれ3件の発表を行う。