ISO/TC107本会議での提案のもよう ニューダイヤモンドフォーラム(NDF、 http://www.jndf.org/ )は、昨年2月28日〜3月2日にドイツ・ベルリン市で行われたドイツ規格協会(DIN)内のISO/TC107(金属および無機質皮膜)本会議でDLCの摩擦摩耗試験規格案を提案、このほど採択が決定した。
国からの委託事業としてDLC標準化を進めるNDFと推進会員企業であるナノテックが同会議に出席し、ISO規格案の提案や意見交換を行った。提案にあたり、ISO/TC107 のISO規格としてDLCの摩擦摩耗試験法"Determination of Friction and Wear Characteristics of Diamond-Like Carbon Films by Ball-on-Disc Method" を作成し、事前に各国に配布していた。
昨年9月にISO/TC107へ新規作業項目提案(NWIP:New Work Item Proposal)として正式に書面提案が行われ、12月の投票結果により、賛成国11カ国、エキスパート参加登録6カ国となりDLCの摩擦摩耗試験法をNWIPとして採択され実施することが決定した。今後DLCの分類案やエリプソメータを用いた光学評価法のISO規格案提案へ向けてさらに展開する予定であるという。
DLC標準化事業は、経済産業省の委託を受けてNDFが中心となって国際標準化を進めている事業。最終的には、(1)DLCの分類およびISO規格案の作成(2)DLCの簡便な光学特性評価法の開発およびISO 規格案の作成・提案(3)DLCの摩擦摩耗に関するISO規格の提案(4)生体用に特化したDLCを含むアモルファスカーボン膜の生体適合性評価法に関わる必要データの蓄積、およびそれらを基にしたISO規格原案の作成─が目的となる。
本事業はNDFに組織されたDLC規格化委員会がプロジェクトリーダーの指導のもとで実施されている。DLC規格化委員会委員と実施体制は以下のとおり。
プロジェクトリーダー
中森 秀樹氏(ニューダイヤモンドフォーラム副会長、ナノテック・代表取締役社長)
DLC規格化委員会委員
委員長:・ 斎藤 秀俊氏(長岡技術科学大学・副学長)
副委員長:・ 大竹 尚登氏(東京工業大学大学院理工学研究科・教授、分類標準化WG主査)
・ シュピンドラー 千恵子氏(ナノテック・常務取締役 薄膜評価セクター長)
委員:・ 平田 敦氏(東京工業大学大学院理工学研究科・准教授、評価技術標準化WG主査)
・ 平塚 傑工氏(ナノテック、評価技術標準化WG主査)
・ 平栗 健二氏(東京電機大学・教授、生体適合性標準化WG主査)
・ 植松 敬三氏(長岡技術科学大学・名誉教授)
・ 加納 眞氏(神奈川県産業技術センター・副部長)
・ 坂本 幸弘氏(千葉工業大学・教授)
・ 辻岡 正憲氏(日本アイ・ティ・エフ・工場長)
・ 藤森 直治氏(イーディーピー・社長)
・ 田中 章浩氏(ニューダイヤモンドフォーラム)
DLC標準化の事業実施体制