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SEMICON Japan 2024

 

日本金属熱処理工業会ら9団体が「電気料金値上げについての緊急要望」

 日本金属熱処理工業会( http://www.netsushori.jp )ら9団体は1月24日、 電気料金の大幅値上げの動きが全国的に拡大している状況を踏まえ、 各団体会長連名による経済産業大臣宛で原子力発電所の再稼働などを求める「電気料金値上げについての緊急要望」を取りまとめ、各団体の関係者と日本基幹産業労働組合連合会同席の下、菅原郁郎経済産業省製造産業局長に要望書を手渡した。

 電気料金の値上げの緊急要請では、新たな安全基準の早期の確立と新基準に基づく速やかな安全審査、その上での立地自治体への説明など、原発再稼働に向けたプロセスを政府が責任を持って速やかに進めることを踏まえた上で原子力発電所の再稼働を求めた。また再稼働までの間、電気料金の値上げの影響を緩和するための時限的な臨時措置として、金融、税制、補助金等、取り得る限りの政策手段によって、国内製造業の維持を図るよう重ねて要望した。

 さらに、別紙として「電気料金値上げに伴う電力多消費産業への具体的な影響の例」を添付。9団体それぞれの職種に関する現状を訴えた。金属熱処理業では、電力使用量がおよそ15億kWhにのぼり、東京電力の値上げ幅(2.33円/kWh)が仮に全国に及ぶと約35億円ものコスト負担増で売上高の7.7%を占めると解説。原子力発電所の再稼働が進まない中、火力発電に頼らざるを得ないため化石燃料の高騰を招き、電気以外でガス加熱方式を採用している企業にとってもコスト上昇が避けられず、もともと利益率の低い業界にさらなる大きな影響が懸念されるとした。

 また金属熱処理業は、処理加工業で自社製品を持たない業態で、加工売上の平均が4.5億円、従業員平均も26名とそのほとんどが中小・零細企業のため、コストの上昇を顧客に適正に転嫁することが極めて困難であり、リーマンショック以降売上がようやく85%にまで回復している状況で、さらなるエネルギーコストの上昇は国内での生産が極めて厳しいものになるとした。

 今回連名の9団体は以下のとおり。日本金属熱処理工業会、日本鉄鋼連盟、日本特殊鋼連盟・特殊鋼会、普通鋼電炉工業会、新金属協会、 日本鉱業協会、日本産業・医療ガス協会、日本チタン協会、日本鋳造協会。