富士通と富士通研究所は、サーバやパソコンなどのICT機器のプラスチック筐体に適用可能な水性塗料を開発し、2013年発売のUNIXサーバ「SPARC M10(スパーク エムテン)」の「SPARC M10-4」、「SPARC M10-4S」2モデルの本体フロントパネルに適用した。
今回開発した水性塗料は、揮発状態を調整することで、プラスチック筐体の形状変形が発生しない65度の低温乾燥を可能とした。また、コアシェル構造(2種類の化学種の一方が核[コア]を形成し、もう一方の化学種がその周囲を取り囲んだ殻[シェル]である構造のこと)を構成する2種類の樹脂を用いて、シェル部に柔らかい樹脂を適用することで樹脂粒子間の融着を促進し、コア部に硬い樹脂を適用することで、ICT機器に適用可能な硬度を得られる硬く強い膜を形成し、ICT機器の筐体に求められる塗膜性能を実現している。
同水性塗料は、従来の溶剤系塗料と比べて、新たに使用する石油の使用量を54%、揮発性有機化合物(VOC)を80%削減できるという。同社では今後も、サーバ、ノートパソコンなど自社製品への適用拡大を図り、省資源化と環境負荷の低減に取り組んでいく。