浜松ホトニクスは、高周波(RF)放電型で平面バルブの紫外線エキシマランプを搭載した生産技術開発向け小型エキシマランプ光源EX-mini「L12530」を5月1日に発売する。樹脂などの表面改質工程や半導体などの洗浄工程で、環境に優しく、ダメージや粉塵が生じないドライ処理による生産技術開発が進み、処理速度、品質、歩留まり向上が期待できるという。
同品はキセノンガスのエキシマ発光を利用して、発光波長172nmの高エネルギー紫外線を効率よく発生する、表面改質や洗浄に最適な紫外線光源。表面改質や洗浄工程では、環境負荷のある薬液処理や、材料へのダメージや粉塵の問題があるコロナ放電が主流。エキシマランは、ドライ処理により、これらの問題を解決するだけでなく、単一波長のため効率の良い処理、低温処理、瞬時点灯/消灯、大気中での使用、水銀レスが特長。
また同品は、エキシマランプ処理の生産工程への新規導入に向けて、持ち運びができる小型照射ボックスにランプと電源をまとめ低価格にした。いつでもどこでも簡易な実験で、表面改質、洗浄効果の評価、確認が可能になる。
高周波(RF)放電型で平面バルブ構造により、ちらつきが少なく安定して発光するとともに、大面積で均一な照射が可能。また、独自開発の点灯周波数のオートチューニング機能によりロスが少ない高効率な点灯が得られる。これらにより、従来のエキシマランプ光源に比べても、製造工程での処理速度、品質、歩留まりが向上する。
また、トリガ電極の接触構造を改良することで、発光範囲のロスがなく、低電力で良好なランプ点灯が実現し、電源を低価格に抑えた。さらに、オプションのオゾン分解ユニットを装置本体に取り付けることで、ダクト排気が不要になり、室内で容易に使用できる。エキシマランプの用途としては、樹脂などの前処理で表面を改質して接着強度を向上させることや、半導体やフラットパネルディスプレイなどのプロセス工程で材料の表面に付着した有機物を洗浄よって除去することなどに用いられる。