ESEZの外観 セイコーエプソンのグループ会社であるSingapore Epson Industrial Pte. Ltd.(本社:シンガポール、以下SEP)は、高付加価値の表面処理加工事業を拡大するために、中国江蘇省鎮江市に生産・営業の新拠点となるEpson Surface Engineering (Zhenjiang) Co. Ltd.(以下ESEZ)を設立、顧客からの受注生産を開始した。
SEPは、エプソンの情報画像事業やウオッチ事業の生産拠点としての役割を担っている。そこで確立した高付加価値の表面処理加工工程を1979年に事業化することで外販も始め、これまで電子機器、半導体、自動車、航空宇宙、医療、石油・ガスなど多様な産業分野の部品表面処理加工を受託してきたという。薄膜形成をサブミクロン単位で制御できる独自の表面処理加工技術は、部品の耐摩耗性や耐熱性をはじめとした機能性を向上させるため、高付加価値の表面処理加工として堅調に拡大してきた。
今後もさらなる需要・受注が見込まれることから、SEPは表面処理加工事業の生産能力を増強するために5年間で約5.7億円を投資することを決定し、2011年6月、中国江蘇省鎮江市の表面処理専業の工業区である鎮江環保電鍍専業区に、生産・営業の新拠点となるESEZを設立した。SEP同様の最新設備を導入したESEZは、省エネや工業用水リサイクルなどの環境配慮をさらに進めた自社工場で、高付加価値の表面処理加工を幅広い産業分野に向けて提供する。
エプソンでは、表面処理加工事業を「SE15後期 新中期経営計画」に基づいた重要なプレシジョンプロダクツ事業の一つとして位置付けている。プレシジョンプロダクツ事業では「省・小・精」の技術を基にした独自の精密加工技術で、エネルギー、時間、顧客の手間などを省き、体積、質量、環境負荷などを小さくし、正確さ、精細さなど高い精度を実現する。
表面処理加工の対象例とその効果