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SEMICON Japan 2024

 

トライボコーティング技術研究会、25年度第1回研究会・総会を開催

 トライボコーティング技術研究会( http://www.tribocoati.st )は5月31日、埼玉・和光の理化学研究所で、「平成25年度第1回研究会および総会」を開催した。

 当日は大森 整会長(理化学研究所主任研究員)の開会挨拶に続いて、薄膜材料の製造販売を行っているエンハンストマテリアル( http://www.emc-h.com/ )、精密バレル研磨を行っているダイエイバレル( http://www.daiei-barrel.com/ )による新規入会企業の紹介が行われ、以下のとおり講演が行われた。

「自動車用動力伝達歯車の高強度・高機能化のための材料・表面改質技術」渡邊陽一氏(パーカー熱処理工業 技術研究所 所長)・・・日産自動車出身の同氏が自らの経験をもとに、こらからの自動車部品などで求められる材料・表面改質技術について様々な事例やデータを用いて解説。自動車の省燃費化やEV・HEVなどの研究開発、さらなる小型軽量化の進展で、材料の統廃合・低廉化、現調化傾向加速、一層高まる耐高面圧性と低フリクション化などを背景に「ショットピーニングや熱処理、コーティングなどの最適な組み合わせが必要」とした。さらに、潤滑油やグリースなどの油脂類の最適化・開発といった表面改質に関連する複数の異分野との連携開発が不可欠になると解説した。

「ウルトラファブリケーションテクノロジー:宇宙望遠鏡から太陽熱レンズ開発に向けて」大森 整氏(理化学研究所 大森素形材工学研究室 主任研究員)・・・地文台「JEM-EUSO」で採用された「フレネルレンズ」を応用して太陽光を効率良く集熱する技術について解説。フレネルレンズは超加工(Ultra Fabrication)により同心円状に溝を刻んだ平面型のレンズで、透明度が高く表面の粗さが20nmという高精度レンズ。このフレネルレンズを立方体の上面と側面(東側と西側)に組み合わせることにより、建物が反射したり、空気中を乱反射したりする反射光を光熱エネルギーとして回収することができるシステムを開発した。これに熱交換器・蓄熱タンクを加えて「フレネル・サン・ハウス」とすることで実用化を図っていること、またレンズの加工方法の詳細などについて解説した。

 引き続き平成25年度総会を開催、平成24年度活動報告・会計報告が行われ、平成25年度活動計画が発表された。次回研究会は9月19日~20日、秋田で開催される予定。

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