処理のようす 豊島技研は、金型や機械部品などに炭化物・硼化物、固溶体および化合物層などを形成させ、耐摩耗性や耐焼付き性を向上する「TD処理」の受託加工を専業で行っている。
同処理は850℃~1050℃の溶融塩中に浸漬することにより、処理品表面に炭化物層を形成でき、処理後に冷却することを利用して、母材に焼入れすることも可能。同処理で形成された炭化物層の元素は、100%炭化物から形成され母材中のCr・Moなどの合金元素はごくわずかである。また、ピンポールなどがなく、母材の表面粗度は処理前の母材の面粗度とほぼ同じだという。同社では、焼入れ方法が油焼入れではなくガス冷却のため、歪みが小さく、複雑な形状などにも対応が可能。