KRI( http://www.kri-inc.jp )は、透光性と導電性に優れ、屈曲性にも強い透明導電膜を開発した。従来の代表的材料であったITOに比べ、透光性と導電性を維持しながらも屈曲性に優れ、低コスト化の可能性もあるため、フレキシブルデバイスへの応用が期待されるという。
今回、透光性と屈曲性に富むが導電性に乏しかった導電性ポリマーをESD法(静電噴霧、Electrospray Deposition)と呼ばれる手法で金属と複合化することで導電性を飛躍的に改善させることに成功した。これにより直径10~20nmの銀ナノ粒子を微粒化させたまま導電性ポリマーと極少量複合させることができ、透光性を維持しながら導電性を2~10倍程度まで改善させた。スマートフォンやタブレットの他、次世代のシートディスプレイに適用を狙う。
ESD法は接地した被塗物を陽極、塗料噴霧装置を陰極として、両極間に高電圧を与えて静電界をつくり、噴霧させた塗料粒子を負に帯電させて、反対極である被塗物に効率よく塗料を付着させる塗装方法のこと。塗料の液滴を非常に微細な粒子(数μm~数nm)にできること、塗料のロスが少ないことなどが特徴。主に車体の塗装などに応用されている。
各材料における機能の比較