岡崎新塗装工場 三菱自動車( http://www.mitsubishi-motors.com )は、同社の乗用車生産の主力工場である名古屋製作所の体制整備の一環として、既存の塗装工場に代わる新たな塗装工場(建物面積約44,000m2)を建設、2月25日に竣工した。
新塗装工場は、同社の国内生産工場では水島製作所に続いて2ヶ所目となる水性3WET塗装を採用し、VOC(揮発性有機化合物)排出量を抑制するとともに、様々な工夫によりエネルギーの削減を図り、CO2の発生を抑制するなど環境負荷に配慮した塗装工場としている。また、新技術を積極導入し、塗装効率を高め塗料コスト、塗装作業時間の短縮を実現している。
溶剤塗装から水性塗装に変更することで、人体に悪影響を及ぼすとされている光化学スモッグの発生要因の一つであるVOC排出量を従来の塗装工場より約60%削減できる。
また3WET塗装は、中塗り・上塗りのカラーベースとクリアの3層を連続して塗り重ねた後、1回で焼き付ける工法で、従来2回乾燥炉を通過していたものを1回にすることでCO2の発生を9%削減するという。
下塗り新電着方式「E-DIP」 また、同工場ではロボットタイプの新コンセプト電車搬送方式(下塗り新電着方式「E-DIP」)を採用。車種ごとの形に合わせ最適な動作と自由な設定を可能とした。これにより車体内部のエアポケットをなくし、電着液のつきまわり性が向上する等、防錆品質が向上する。
塗装工場で大量の熱を発生する乾燥炉や焼付け直後の熱い車両をストレージするエリアを上階に配置し、人が作業を行う工程を1階に配置することで環境を改善。車体を搬送するコンベアに金属チェーンのない「フリクションコンベヤ」を採用することで工場騒音が大幅に低減している。