採用されたKOBELCO CUPのTシャツ 神戸製鋼所は、2001年に開発した高機能抗菌めっき技術「KENIFINE(ケニファイン)」について、このほど、シルクスクリーン印刷製品の専門会社であるSTRAIGHT社、ケニファイン粉末を製造販売している高秋化学と共同で、抗菌加工プリント技術を開発した。同技術により、布やプラスチックなどの様々な製品へのプリントに抗菌機能を付与することが可能となる。
ケニファインは、神戸製鋼が独自開発した高機能ニッケル系合金めっき技術で、同社は自社にめっきラインを有するメーカに技術供与している(ライセンシーは現在10社)。従来の抗菌技術(抗菌塗装、抗菌ステンレス、銀系抗菌剤など)に対して滅菌スピードは10倍以上、かびの生育を抑制する作用は50倍以上だという。また、ウイルスや藻類、ミズカビ等への効果も認められている。開発が完了した2001年に最初の技術供与先が決まり、2002年より量産を開始し、その後、めっき技術の改良(耐変色処理や粉末化技術の開発、樹脂への適用化など)を行い、すでに、食品・飲食産業や医療関係、家電・エアコン部品、漁業用金網などの産業分野や、台所用品、グルーミンググッズ、アミューズメント分野などの民生用途で採用されている。
今回、シルクスクリーン印刷製品の専門会社であるSTRAIGHT社がケニファイン技術に注目したことがきっかけで、ケニファインの技術を有する神戸製鋼と、ライセンス供与先でケニファイン粉末を製造販売している高秋化学と共同で、プリントのインクにケニファイン粉末を混入する技術を開発し、金属であるケニファイン粉末を混入しても印刷の品質を維持することに成功した。
また、実用化第一弾として、大花火大会で有名な「長岡まつり」のボランティアスタッフ250名と、高校生のラグビー大会「KOBELCO CUP」の参加選手300名に配布されるTシャツに同時採用された。