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SEMICON Japan 2024

 

JASIS2013開催、新ビジネスを支える試験・評価機器

JASIS2013のもようJASIS2013のもよう 日本分析機器工業会と日本科学機器協会は9月5日~7日、千葉市の幕張メッセ国際展示場で、「JASIS2013」(旧・分析展/科学機器展)を開催した。今回は「未来発見。-Discover the Future-」をテーマに、医療やバイオ、環境などを中心に、「イノベーションを生み出し将来のビジネス発展につなげるための材料や表面改質層の開発を支える分析装置や試験装置などが多数展示された。

新東科学のブース新東科学のブース 環境ビジネスの一つのテーマとして、省エネルギー・省資源があるが、この省エネ・省資源につながる材料特性としては、摩擦・摩耗特性(トライボロジー特性)がある。このトライボロジー特性を評価する摩擦・摩耗試験機では新東科学やCSM Instrumentsなどが出品したが、新東科学では荷重変動型摩擦摩耗試験システムトライボギア「TYPE:HHS2000/3000」を出展、1個の試験片による1回の測定で摩耗回数、垂直荷重、摩擦力、摩耗体積の関係を示す3次元摩耗形態グラフ作成、摩耗の遷移に対応する臨界荷重を決定ができるため、複数の試験片を必要としないだけでなく、試験時間を大幅に短縮し、煩雑なデータ解析を解消できつつ、信頼性の高い試験データが得られる。これによりユーザーの材料やコーティング開発の期間短縮が図れることを提案した。

堀場製作所のブース堀場製作所のブース トライボロジー特性に優れるコーティングの一つに、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜があるが、堀場製作所ではこうした薄膜の測定や分析に有用な装置を出展、分光エリプソメータ「UVISEL 2」では、非接触・非破壊で薄膜試料にダメージを与えることなく高感度に膜厚や屈折率を測定でき、DLCを分類・評価できる可能性について、グロー放電発光表面分析装置(GD-OES)「GD-Profiler 2」では、前処理なしで薄膜試料中の元素分析を数10ppmオーダーの感度、深さ方向数nmの高分解能で迅速に行えることなどを示した。

 各種の機能性薄膜が登場する中で、母材の物性に影響されず、薄膜の機械的特性のみを評価する手法にナノインデンテーション法があるが、この評価装置であるナノインデンターはオミクロン ナノテクノロジー ジャパンやCSM Instruments、東陽テクニカなどから出品された。

オミクロン ナノテクノロジー ジャパンのブースオミクロン ナノテクノロジー ジャパンのブース オミクロン ナノテクノロジー ジャパンは、ダイヤモンド圧子を使用し600℃以上の加熱測定が可能な高温ナノインデンテーション装置「高温ステージ xSol 600付き TI 950 」を紹介、インデンテーションによる硬さ・弾性率測定はもとより、スクラッチ機能による膜の密着強度、圧子を動的に振動させる粘弾性測定で貯蔵・損失弾性率・tanδ等、多種のオプションを取り付けることが可能で、セラミックスコーティングなど各種薄膜の物性への温度依存性の評価などにも有用であることを示した。

CSM InstrumentsのブースCSM Instrumentsのブース また、CSM Instrumentsはナノインデンテーション試験のデモンストレーションを交えて、各種ナノインデンターを紹介した。現在、800℃対応の高温ナノインデンターを開発中であることや、最近開発された「バイオインデンター(BioUNHT)」が、超低荷重と大きな深さ方向の変位が可能なことから、バイオ材料だけでなくソフトマテリアルの評価が可能であることを示した。

 新ビジネス、たとえば医療ビジネスの我が国における産業規模はまだそう大きくないが、国が注力する長期的な成長分野の一つである。そうした新分野における材料および表面改質層の開発では、紹介したような試験・評価機器による信頼性の高い評価データは不可欠である。各種の試験・評価機器の有効な活用を通じて、わが国が発信する新ビジネスが一つでも多く生まれることを、強く期待してやまない。