丸紅情報システムズ( http://www.marubeni-sys.com/de/coat/ )は、従来より受託販売を行っていたDLCコーティング「ULF(ウルフ)コート」において、耐摩耗性を20%以上向上させた「ULF-Sコート」、DLCの深みのある黒色を活かした装飾用の「ULF-Bコート」の二種類を追加する。受託サービスは、ユーザーから預かった被処理材をユニオンツールが開発・所有する成膜装置で処理をする。
「ULF-Sコート」サンプル 「ULF-Sコート」は、従来の「ULFコート」が持つ水素を含有しない高硬度DLCおよび100度以下の低温被膜処理の特徴を引き継ぎ、自動車部品や機械部品等の鉄系金属素材向けに高性能化を図った。鉄系金属素材との密着性を向上させることで、膜の耐摩耗性を従来より20%以上向上させた。主な適用範囲は、自動車や機械、精密機器の鉄系金属素材の摺動部品。摩擦抵抗の低減、耐摩耗性向上、相手材への攻撃性低減、防食性向上に効果があるという。このほか、金型や工具などで耐摩耗性や離形性の向上にも効果がある。
「ULF-Bコート」サンプル 「ULF-Bコート」は、グラファイトに近い物性のDLCが持つ深みのある黒色を1μm以下で成膜する。主に装飾用途として、RoHS規制対策、有害物質削減、レアメタル削減、環境配慮の面から黒ニッケルや黒クロム、黒クロメートめっきなどからの代替需要を見込んでいる。従来と同様に、DLCに水素は含有せず、100度以下の低温で被膜処理を行う。
同社では、DLCの性能向上と性質の多様化により適用範囲を拡大し、受託サービス全体で2015年末までに18億円の売上を目指す。