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SEMICON Japan 2024

 

N+展、コーティングによる材料の高機能化を提案

N+のもようN+のもよう エヌプラス(N+)~新たな価値をプラスする材料と技術の複合展~が9月25日~27日、プラスチック工業技術研究会の主催により、東京ビッグサイト東館2・3ホールで開催された。

 N+展は、製品開発における「課題解決」をキーコンセプトに、プラスチック、ソフトマテリアル、軽金属、炭素繊維、複合材料などの素材の新しい活用方法や、耐熱・放熱、接着・接合、軽量化・高強度化、コーティングなどのソリューションをテーマにした7つの展示会を集めた複合展。最終製品メーカーにとって、国際競争力を持つ「高付加価値製品」の開発が急務となっている。製品開発現場では、求められる機能がますます複雑化し、さらに製造プロセスにおける環境負荷低減や廃棄時のリサイクル性も考慮した「材料と技術」の選択が必須となっている。同展は、様々な材料と技術を「適材適所」に組み合わせることで「高機能化」と「環境対応」の両立の実現をねらったもの。

 今回から新設された高機能コーティング技術展(COAT-TEC)では、既存のプラスチック高機能化技術展(N-PLEX)やソフトマテリアル開発技術展(SOFMEC)などが扱う各種材料に対して、足りない機能を表面に付与する様々なコーティング技術が提示された。

 松山技研では、冷間金型向けのコーティングとして、TiCNの滑りと密着力を大幅に向上させ、耐摩耗性に優れる「CN-X」などを紹介した。

 プラクスエア工学は、350m/sの高速、16,700℃の高温プラズマ流の利用により、粉末コーティング材を完全に溶融するとともに音速と同じ速さで母材に衝突させ高硬度で高密度なコーティング被膜を形成する「PSTプラズマ溶射法」を提示、酸性・アルカリ性溶液中の滑り摩耗などに強いフィルムロールの処理品などを展示した。

丸紅情報システムズのブース丸紅情報システムズのブース 丸紅情報システムでは、新たに受託加工サービスを開始した、金属母材との密着性を改良することで従来製品より耐摩耗性を20%以上向上させた水素フリーDLC「ULF-Sコート」、DLCの深みのある黒色を活かし黒色めっきなどの代替が可能な装飾用薄膜DLC「ULF-Bコート」の2種類のDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングについて、処理サンプルを示しながらアピールした。

 この例のように、DLCでは膜の密着性がしばしば問題になる。これに対してケー・ブラッシュ商会では、大気圧プラズマ装置によってSiO2コーティングの成膜を大気圧で実現、密着性を高めるDLCコーティングの前処理としての有用性を示した。