東京国際航空宇宙産業展2013のもよう 東京都と東京ビッグサイトは10月2日から4日、東京・有明の東京ビッグサイト東4ホールで「東京国際航空宇宙産業展(ASET)2013」を開催、331社・団体が出展し、29417人が来場した。
同展は、航空宇宙産業の振興、製造業のさらなる発展、中小企業の航空関連市場への参入支援を趣旨として企画され、今回で3回目の開催となる。航空宇宙産業の高度な加工技術、独創的な開発力などを日本最大の産業集積地である東京から発信することで、航空宇宙産業の振興と発展を目指す。
AMATERASのブース 表面改質関連では、熱処理の受託加工メーカーを中心に出展が行われた。東京都の中小企業10社により、2009年に設立された航空機部品のサプライチェーンのコンソーシアムAMATERASは、航空機部品の製造に必要な認証であるISO9001、JISQ9100、Nadcapを取得していることと豊富な実績を強みに、各社がPRを行った。ブース内では、上島熱処理工業所と多摩冶金が出展。AMATERASの熱処理として真空、ソルトバス、浸炭、窒化、素材調質およびアルミなど幅広い熱処理が可能であるとし、多品種・小ロットに多くの経験とノウハウを持っている、とした。
エヌ・デイ・ケー加工センターが出展した相模原市産業振興財団のブース エヌ・デイ・ケー加工センターは、電子ビームと真空熱処理についてのパネル展示を行った。加熱室内に挿入したワークを高温でプレス処理することにより、各種材料の接合・成形処理を行う真空4軸ホットプレスでは、アルミロウ付け処理用の600℃から高融点金属用の1300℃まで幅広い温度域に対応するとした。単一ワークに対しては、複数軸を同一プログラムで制御することにより全面にわたり均等な面圧が確保できる。
熱処理ではこのほか、HIP処理の受託加工を行う金属技研や、熱処理全般からセラミック・DLCコーティングなど表面改質をトータルに手掛けるアイ・シイ・エス、熱処理装置の販売を行うサーマルなどの出展が見られ、表面改質関連各社が新分野開拓として航空機市場に大きな期待を寄せていることを窺わせた。