静岡コーティングセンターのPPD処理装置 日本エリコンバルザース( http://www.oerlikon.com/balzers/jp/ )はこのほど、同社の静岡コーティングセンターに大型金型向けのパルスプラズマ拡散(PPD)処理を導入したと発表した。主に自動車産業の硬質クロムめっき代替処理として普及を図る。
今回導入したPPD処理は、エリコンバルザースが自動車金型プレスメーカーと開発。これまで、欧州、北米、韓国で処理を行っていたが、自動車産業からの需要増に伴い、今回新たに日本と中国に導入した。六価クロムの廃液処理が必要であるクロムめっきに対して環境に配慮した処理として提案していく。機能面においても硬質クロムめっきが金型寿命を通して5回程度の処理が必要なのに対し、PPD処理は1回処理するだけと耐久性にも優れており、最大65%のコスト削減が可能になるという。静岡に導入した装置は、長さ10m、最大処理重量40tと大型で、自動車用大型鍛造金型やプラスティック射出成型金型、ギヤ、クランクシャフト、大型ローラーなどの重機部品に適している。
エリコンバルザース CEOのハンス・ブランドレ氏は「経済的かつ環境に優しい表面処理のニーズは高まっており、PPDはそれらの点において優位性があります。私たちが日本と中国という二つの鍵となるマーケットで、この未来志向テクノロジーを提案することはとても重要な意味があります」と述べている。
PPD処理中の内部