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SEMICON Japan 2024

 

リガク、10分間のX線照射で67mmの鉄厚を透過撮影できるポータブルX線装置

リガク「RF-3530CP」 リガク( http://www.rigaku.co.jp )は、10分間のX線照射で67mmの鉄厚を透過撮影できる工業用ポータブルX線装置「RF-3530CP」の販売を開始した。同装置は、設定された管電圧に対するエネルギー帯が常時一定に出力される「コンスタントポテンシャルタイプ」(CP型)の第二弾となる。

 同品は、最大管電圧を従来品の220kVから300kVへと引き上げたことで、強力なX線透過性能を実現した。これにより、10分間のX線照射で鉄厚67mmの鉄厚を透過撮影できる。従来品で10分かかる55mmの鉄厚であれば、約3分30秒で透過撮影できるなど、大幅な時間短縮が可能となった。管電流は、0.5~3mA間で調整できるため、対象物ごとに最適な測定条件を選択できる。制御器には、最新の電力制御技術および力率改善回路(PFC回路)などのデジタル制御技術を導入し、制御器を10.4kgと軽量化も実現。X線発生器には、高周波インバーター技術およびカスケード方式高電圧電源を採用している。

 ポータブルX線装置は、プラント設備やインフラ構造物、工業製品の品質管理などの分野において、現場に持ち込んで活用されている。しかし、従来のポータブルX線装置では透過性能に限界があるため、鉄厚55mmを超える対象物の測定においては、据置・大型のX線発生装置や、ガンマ線が使用されてきた。同品は、LNGタンクやパイプライン、車両・造船用重厚部、鋳物、コンクリート構造物など、幅広い対象物の検査において、X線の活用範囲を拡大できる透過性能を備えている。