展示会のもよう 「エヌプラス(N+)~新たな価値をプラスする材料と技術の複合展~」が9月30日~10月2日、プラスチック工業技術研究会の主催により、東京ビッグサイトで開催された。
N+展は、製品メーカーの企画・開発担当者から寄せられた課題やニーズをもとに、軽量化・高強度化技術展(MALSEC)、炭素繊維加工・活用技術展(CARBONext)、プラスチック高機能化技術展(N-PLEX)、接着・接合・ファスニング技術展(JOINTEC)、コーティング・表面処理技術展(COAT-TEC)、耐熱・放熱技術展(HEAT-TEC)、ソフトマテリアル開発技術展(SOFMEC)と七つのキーワード(展示スペース)を設定している。このコンセプトは、製品に新たな価値を求める来場者が、その課題解決のための最適な素材と技術に出会うことを最大の目的としている。
当サイト関連の高機能コーティング・表面処理技術展では、市場にある各種材料に対して、要求される機能を材料表面に付与するための、コーティング技術など様々な表面改質技術が提示された。
三菱マテリアルトレーディングのブース ドライコーティングでは、三菱マテリアルトレーディングが、新明和工業の扱う水素含有~水素フリーまでの4種のDLCコーティングや、表面粗さを改善する「大面積電子ビーム装置」、ダイヤモンド膜までの各種コーティング被膜を除去できる「イオンエッチング装置」などをメインに出展したほか、三菱マテリアルグループのMMCツーリングが手がける再研磨・再コーティング処理「Re-Miracle」などを紹介した。
倉敷ボーリング機工のブース 溶射では倉敷ボーリング機工が、従来のタングステンカーバイト皮膜を進化させた「DF-KOTE」を紹介。硬さHv1100~1300、表面粗さRa0.02以下の皮膜は、高機能性フィルム用ロールなどのフィルム製造ラインで豊富な実績を持つという。また、フレーム溶射、粉末式高速フレーム溶射、プラズマ溶射、アーク溶射といった各種溶射方法や、金属、セラミックス、サーメットなどの各材料を顧客のニーズに合わせて提案できる同社の加工体制をPRした。
TOTOのブース またTOTOは、サブミクロンレベルのセラミック微粒子を常温のガスに混ぜてエアロゾル状態にし、ノズルを通して秒速150~400mで高速噴射し基材に衝突させることで、基材の表面に高緻密・高密着なセラミックス膜を形成する「エアロゾルデポジション(AD)法」を紹介。半導体製造装置用部材に同法によってイットリア膜を処理することで、金属、石英、セラミックスなど多様な基材上に緻密なナノ結晶構造を形成する上、基材に食い込むアンカー部があるため高い密着力を実現することで、プラズマによる腐食を抑制しパーティクルを軽減、コンタミネーションコントロールに貢献することを示した。
ダイセルのブース めっき関連ではダイセルが、独自開発の爆ごう法による4~5nm径の一桁ナノダイヤモンドを、ニッケル-リン(Ni-P)無電解めっきに共析させた「Ni-P-SDND共析無電解メッキ」を披露し、同共析無電解メッキが摩擦係数を低く安定させることをアピールした。