SCREENホールディングスは、複雑な電子回路の一括形成を可能にするプリンテッドエレクトロニクス(PtE)向け超精密グラビアオフセット枚葉式印刷装置「UP-5000S」を開発、2016年1月に販売を開始する。これまでPtEの技術では困難とされてきた精密な電子回路の量産を可能にするという。
2015年11月に発表した、PtEによる電子回路の一括形成を実現する超精密グラビアオフセット印刷用平版「HA-3000」の供給や、回路パターンに応じた最適なプロセスの提供などと併せ、PtEのトータルソリューションを提案する。
近年、ウエアラブル端末や有機EL照明などのさまざまな電子デバイスの量産において、印刷技術を活用し、簡易かつ低コストで製造できるPtEの技術に注目が集まっている。その中でも、今後、需要の高まりが予測される精密な電子デバイスの製造には、複雑で微細な回路形成が可能なグラビアオフセット方式が適しているとされている。しかし、線幅の異なる回路を一括形成する場合、転写不良による断線や、膜厚が安定しないことが普及を妨げる要因となっている。また、試作ベースでの生産運用が多くを占めていることから、品質管理が難しく、印刷準備に時間を要することなども課題となっていた。
このような動向を受けて同社は2015年11月、超精密で複雑な電子回路を一括形成する技術を発表。さまざまな線幅が混在する回路の量産に適した超精密グラビアオフセット印刷用平版「HA-3000」とともに、PtE向け超精密グラビアオフセット枚葉式印刷装置「UP-5000S」の開発を進めてきた。「UP-5000S」は、同社が印刷業界で長年培ってきた印刷・製版のノウハウと、半導体・液晶関連の製造装置で高く評価されている搬送・制御技術を融合し、従来は作業者の感覚に頼っていた印刷前準備を自動化。基材セット時の位置調整やブランケットの印圧調整など装置のダウンタイムを短縮し、量産に対応できる生産性を実現した。