住友電工ハードメタル( http://www.sumitool.com )は、ナノ多結晶ダイヤモンドを刃先に用いた「モールドフィニッシュマスター スミダイヤバインダレス ボールエンドミル」のサイズ拡充、新ラインナップを追加した。さらに刃先交換インサート37型番も新たに開発し、販売を開始した。
同社は、数十ナノサイズの微細なダイヤモンド粒子が強固に直接結合したナノ多結晶ダイヤモンド(Nano-polycrystalline diamond:NPD)をボールエンドミルの刃先に用いた切削工具を開発し、一昨年10月に超硬合金の精密仕上工具NPDB型R0.3、R0.5、R1.0の3型番を発売した。今回、小径サイズR0.1、R0.2の拡充と新シリーズ標準仕上工具NPDBS型R0.1~1.0の5型番を追加した。さらに、刃先交換インサートの新製品となる37型番も併せて発売した。
ナノ多結晶ダイヤモンドは、グラファイト状の炭素材料から特殊な製造装置を用いて、超々高圧、超高温環境下で生成されるという。粒径数十nmの微細なダイヤ粒子が、結合材なしに強固に直接結合した多結晶体で、単結晶ダイヤモンドよりも高い硬度を持ちながら、単結晶ダイヤモンドの弱点である劈開性がなく高い靭性を示す。これより、従来の焼結ダイヤモンド(PCD)を超越した耐摩耗性を有し、エンドミル・刃先交換チップ共に超硬合金等の硬脆材加工で優れた加工面品位と高精度を得られ、かつ安定した品位・精度を長時間維持することができるという。