SCREENファインテックソリューションズ( www.screen.co.jp/fpd )は、独自のLIA(低インダクタンスアンテナ)プラズマ真空成膜技術を応用した真空スパッタリング装置「VSシリーズ」と真空CVD装置「VCシリーズ」を開発した。
LIAプラズマ真空成膜技術は、特殊構造の小さなアンテナを使い、均一で高密度なプラズマを発生させ、基板にダメージを与えることなく成膜する技術。VSシリーズは、多彩な素材への色や模様の加飾の他、防傷・防汚効果を持つ機能性膜を高品質で高速に成膜する装置。多種多様な材料を大面積に成膜できるため、建築物の内装などに使用される鋼板の加飾加工や、硬度と透明度が高いアルミナ膜によるポリカーボネートなどへの防傷加工が可能だという。VCシリーズは、従来のCVD技術とイオン注入技術を融合させ、硬度が高く摩擦係数が低いダイヤモンドライクカーボン(DLC)の均一な成膜を可能にした装置。同装置は防汚性、ガスバリア性、生体親和性などにも優れているため、さまざまな素材や部品への活用を想定している。
同社では、LIAプラズマ真空成膜技術を搭載した「VSシリーズ」と「VCシリーズ」の販売を開始し、建材分野をはじめとする新たな市場への販路を強化するとともに、今後は車載品市場も視野に入れ、事業領域の拡大を図る。
同社は、SCREENグループが持つコア技術の一つである表面処理技術を利用して、主に液晶パネル用のガラス表面に感光材料を成膜するフラットパネルディスプレー製造装置を手掛けている。また、半導体製造装置で蓄積した成膜技術を応用した新規ビジネスの創出にも注力し、リチウムイオンバッテリーや燃料電池などのエネルギー分野をはじめ、さまざまな市場の課題解決を図っている。2011年からは、LIAプラズマ真空成膜技術を系列グループのイー・エム・ディーと共同開発し、応用可能な市場を模索してきた。