大同特殊鋼( http://www.daido.co.jp )は、新型省エネ燃焼システム「DINCS(Daido Innovative Neo Combustion System)」を搭載し、省エネ性と炉内温度分布の均一性に優れたバッチ式熱処理炉「プレミアムSTC(Short Time Cycle)」の販売を開始する。
DINCSは、内部でガスが燃焼しているU型の金属管チューブを熱処理される材料の上下に配置し、材料を間接加熱する構造のラジアントチューブ式燃焼システムを採用した。熱交換器の材料に炭化ケイ素を採用し、3Dプリンタを用いて従来製法では不可能だった、コンパクトながら広い熱交換面積と高い熱交換率を両立することにより燃焼用空気を高温に予熱できるため、燃料ガス消費量の大幅削減が可能になった。高い耐熱衝撃性を有する炭化ケイ素を材料に用いることで、長期間の使用が可能だという。
また省エネ性能は、これまで最も高いとされていたリジェネレイティブ・バーナーと同等である上、バーナ本数を2分の1に減少、切替弁などをなくしたシンプルな構造のためメンテナンス負荷を大幅に軽減している。
さらに、 DINCSが採用した高輻射材によりU型ラジアントチューブの燃焼側と排気側の温度の均一化が図れ、炉内温度分布の向上により熱処理品質の安定化を図ることができる。加えて、操業開始時の燃焼排ガス成分を分析することにより、適正な空気比で燃焼しているかを監視することにより、常に最適な燃焼状態を保つためのバーナーメンテナンス時期の見える化を図っている。