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SEMICON Japan 2024

 

第20回機械要素技術展開催、機械要素の表面特性を改善する表面改質技術

 「第20回機械要素技術展」が6月22日~24日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。同展では、機械要素や金型・工具の表面特性を改善する各種の表面改質技術が、以下のとおり紹介された。

大東潤滑「PIAコートワイヤー」大東潤滑「PIAコートワイヤー」 大東潤滑は、高い潤滑性を得るためにバインダにポリアミドイミド(PAI)樹脂を採用し、固体潤滑材として二硫化モリブデンとPTFEを配合、相乗効果によって低摩擦係数を実現する固体潤滑塗料「ワイヤーコート」を紹介した。内視鏡向けなどで、摩擦抵抗を大幅に減らすほか、張力がかかって表面が擦れた際の摩耗・切断を防ぐ耐久性を付与できるという。


ユーテック「DLC被覆機能性微粒子入り高潤滑・高離型剤ノンオイルスベールYTC-001P」ユーテック「DLC被覆機能性微粒子入り高潤滑・高離型剤ノンオイルスベールYTC-001P」 ユーテックは、揮発性溶剤中に低摩擦・耐摩耗性に優れるDLC被覆の機能性微粒子を分散させた「DLC被覆機能性微粒子入り高潤滑・高離型剤ノンオイルスベールYTC-001P」を紹介した。スプレーなどの形態で金型や各種可動部に吹き付けて塗布することで、離型性・潤滑性を付与できる。主要剤に揮発性溶剤を使用しているため、対象物への残留がほとんどないオイルフリーをアピールした。


アイ・シイ・エス「剥離子オーダーシステム DLC」アイ・シイ・エス「剥離子オーダーシステム DLC」 アイ・シイ・エスは、医療用途として、歯科器具メーカーのトップメーカーであるYDMで採用された、DLC被膜を施したステンレス製のレジン充填形成器と剥離子を展示した。DLC被膜によって表面が滑らかになるためレジン離れが良く操作性に優れるほか、DLC被膜が高硬度で耐摩耗性に優れるためシャープな切れ味を持続できる。さらにDLC被膜が黒色のためライトの反射を抑え視認性を向上させるという。


新明和工業「イオンエッチングサンプル」新明和工業「イオンエッチングサンプル」 新明和工業は、こうした各種コーティングを多品種少量の超硬基材に施した小径工具や金型向けに、全膜種の除膜に対応する小型エッチング装置を参考出品した。ArやO2などのガスをイオン化して基材に照射しコーティング層を除去しつつ形状やシャープエッジを維持する。CFRPの加工に使われるダイヤモンド被覆工具など高価な超硬工具の除膜・再成膜による再生のほか、再生使用の要求の高い超硬金型向けにもアピールしている。


不二WPC「食品用カッタのサンプル」不二WPC「食品用カッタのサンプル」 不二WPCは、食品分野でのフッ素樹脂被膜の自主規制の動向に伴い、金属を表面改質し摺動性を改善するWPC処理を提案。製麺工程では表面凹凸によって打粉がのりやすくなり面とローラが張り付きにくくなることや、表面効果で耐摩耗性が高まりローラのメンテナンス性が向上すること、フッ素樹脂被膜よりも低コストで洗浄性が良好なことといったメリットも打ち出した。同社ではまた食品工程の搬送や包装工程で超短パルスレーザ加工による摩擦制御を提案、包装シートの切断カッタへの適用による切れ味向上など謳っている。


光栄テクノシステム「溶射による機械部品の再生例」光栄テクノシステム「溶射による機械部品の再生例」 光栄テクノシステムは、高効率・高付加価値製品を創出し省資源、省エネルギーによる地球環境保全に寄与する技術として溶射による機械部品の再生を提案した。ベアリング部やメカニカルシール摺動面など摩耗・損傷した部品の肉盛復元や、クランクシャフト、シリンダブロック、シリンダヘッドなど各種エンジン部品の耐食や復元(寸法)加工など部品再生の豊富な実績をアピールした。